広末涼子、深津絵里、新垣結衣、松坂桃李、風間杜夫…お盆に観たい「亡くした大切な人との映画」5選
亡くなった夫が側で見守る
〇「トワイライト ささらさや」(2014年)
亡くなった落語家の夫・大泉洋が、この世に残した妻・新垣結衣の元に現れるファンタジックな人情劇。
売れない落語家・ユウタロウ(大泉洋)と妻・サヤ(新垣結衣)は息子を授かり幸せな日々を送っていた。だが、ユウタロウはトラックに轢かれて亡くなってしまう。妻子が心配で成仏できない夫は、人の身体を借りて側で見守ることに……。サヤがささらという町に移り住むと、ユウタロウはサヤを助けたい時や、伝えたいことがあると町の誰かに乗り移る。
乗り移られた人を演じる役者たちの演技が見ものだ。当時5歳の寺田心が滔々と落語家の口調で話すところは、さすが天才子役と納得するが、何と言っても富司純子のべらんめえ口調が最高だ。
「馬鹿だねえ、お前は」と言ってあぐらをかき「俺を見える人間だけに乗り移れるんだが、どうも1回だけらしいや」と説明する。やがて夫婦喧嘩となるのだが、このシーン、まるで大泉がしゃべっているように見えるから不思議だ。富司はコメディエンヌとしても一流だったのだ。
やがてお盆になり、ユウタロウとの別れがやってきてサヤは号泣する。涙の芝居は苦手だったという新垣が、このシーンは感情が入り一日中泣いていたという。ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」(2016年)で全国的な人気を得る2年前の作品。初めての母親役だった。
新垣と大泉の絶妙なやり取りが、夫婦の機微を感じさせて楽しい作品だ。こんな愉快な幽霊だったら、いつでも現れてほしいものだ。
一度だけ亡くなった人に会えます
〇「ツナグ」(2012年)
もし亡くなった人に一度だけ再会が叶うなら、あなたは誰と会うことを願うだろうか。
高校生の歩美(松坂桃李)の一族は、死者との再会を仲介する「使者(ツナグ)」を務めている。両親を早くに亡くした歩美は、祖母のアイ子(樹木希林)からその役目を引き継ぐことになった。
最初の依頼者・畠田(遠藤憲一)は、母(八千草薫)に病気のことを伝えないまま死なれてしまったことを後悔していた。再会すると母は優しく言う。「私の病気のことを1人で抱えて苦しかったろう。私は幸せだったよ」と。それを聞いて泣き崩れる畠田だった。
高校生の美砂(橋本愛)は、仲違いしたまま亡くなった親友・奈津(大野いと)と話したいことがあった。サラリーマンの土屋(佐藤隆太)は、プロポーズ直後に失踪した婚約者・キラリ(桐谷美玲)が生きているかを確かめたかった。
この力を使えるのは死者も生者も1回だけ。死者の1人がこう言う。「1回しか使えないのに、私に会いたいと思って選んでくれたことが嬉しい」と。観る人の年代によってどのエピソードに魅かれるかが分かれるだろう。しかし、亡くなった人の思い出が、生きる者の中に残り続けることに変わりはない。
松坂は、生者と死者の間を行き来するという難しい役に挑み、日本アカデミー賞新人俳優賞などを受賞。その後、幅広い役をこなせる俳優への一歩となった作品だ。来年のNHK大河ドラマ「逆賊の幕臣」では、主役・小栗上野介忠順を演じることが決まっている。
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