樋口可南子、有村架純、山田杏奈、吉永小百合、真木よう子…女優たちの演技が光る「夏の山の映画」5選

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吊り橋で起きたこと

〇「ゆれる」(2006年)

 山奥の吊り橋で起きた事件をめぐる真実とは? 兄弟と幼なじみの女性との複雑な感情が絡み合う。

 写真家の早川猛(オダギリジョー)は、法事で久しぶりに帰郷する。父と兄の稔(香川照之)はガソリンスタンドを経営していて、そこには幼なじみの智恵子(真木よう子)も働いていた。3人は以前よく行った渓谷に出かけるが、そこに架かる吊り橋から智恵子が転落して亡くなってしまう。側には稔がいたのだが、果たして稔が突き落としたのか、それとも事故だったのか。

 後半は裁判場面が続く法廷映画仕立てだが、話が進むに連れて3人の微妙な関係が明らかになる。智恵子はかつて猛と付き合っていて、今回猛が帰郷した時も再び関係を持ってしまう。地方に燻っている自分が嫌で、猛に東京へ連れて行ってほしいと願っていた。一方、稔は智恵子と一緒になりたかったが、吊り橋の上で拒絶されてしまう。その後に何があったのか。真相は最後まで伏せられ目が離せない。

 物語の象徴となる吊り橋は、新潟県・津南町の中津川渓谷に架かる見倉橋だ。秋山郷の宝石とも言われる美しい木製の橋で「新潟の橋50選」にも入っている。

 兄弟の間で「ゆれる」女を好演している真木に注目したい。同年の「ベロニカは死ぬことにした」の主役を務め注目され、本作では山路ふみ子映画賞新人賞を受賞。女優として大きく飛躍した年だった。その後「さよなら渓谷」(2013年)や「アンダーカレント」(2023年)など、鬱屈を抱えた女性の役を演じれば一頭地を抜く女優となった。

稲森浩介(いなもり・こうすけ)
映画解説者。出版社勤務時代は映画雑誌などを編集

デイリー新潮編集部

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