「中国人にボコボコにされ、ビルの6階から突き落とされた」 「闇バイト」 トクリュウの使い捨てにされた悲惨すぎる実態 募集時の約束は「月収300万円」も、組織に入った瞬間、「お前たちは…」
「トクリュウ」(匿名・流動型犯罪グループ)による犯罪が相次いでいる。トクリュウは、2022~2023年に起きた「ルフィ事件」や、今年5月の「栃木・上三川事件」のような強盗から、特殊詐欺、投資・ロマンス詐欺、悪質リフォーム、オンラインカジノ関連まで、多岐にわたる犯罪で資金を獲得する犯罪グループだ。その手先となり、犯行の実行役を担うのが「闇バイト」。上記のようなトクリュウ関係の多くの事件でも、その走狗となって働かされてきた。しかし、所詮、彼らは「使い捨て」の存在。安易な気持ちで犯罪グループに加われば、悲惨な結末を迎える――。警視庁では、そうした「闇バイト」経験者たちに聞き取りを行い、その証言を共有しているという。そこから聞こえてきた彼らの無残な実態とは――。
【前後編の前編】
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生々しい証言
昨年、特殊詐欺やSNS型投資、ロマンス詐欺の被害総額は、1年でおよそ3241億円にも上った。当局は、その背景に暗躍するトクリュウの存在があると見ているという。
「匿名・流動型犯罪グループ」は、先輩、後輩、友人、知人などの緩やかなつながりで集団を構成し、メンバーを入れ替えながら犯罪を実行する。収益を吸い上げる中心人物は、シグナルやテレグラムなど匿名性の高い通信手段を利用し、犯罪ごとに実行役に指示するなど、その存在が匿名化・秘匿化されていることが特徴だ。犯罪拠点は、タイやミャンマー、カンボジアなど東南アジアに置かれることも少なくないという。
そこに集められるのが「闇バイト」。彼らはSNSで募集され、詐欺の「架け子」や「受け子」「出し子」など犯罪組織の手駒として利用されるが、その詳しい実態はこれまで明るみに出てこなかった。
警視庁の「匿名・流動型犯罪グループ対策本部」では、その実態を詳細に把握している。
同庁関係者によれば、
「本部はトクリュウ犯罪の深刻化を受けて、昨年10月に出来た組織です。通称T3といい、要員は200人ほど。ここで全国のトクリュウ関連の情報を集約、関係の事件が起きれば、各部署や道府県警に情報を提供していく。当局では、海外を拠点にした犯罪組織から運よく脱出できた『闇バイト』たちが帰国した後、聞き取りを行い、その証言を共有している。トクリュウが敢行する犯罪の悪質性・凶悪性の本質を最前線の捜査員1人1人が深く認識し、組織一丸となって強い危機感を共有するためです」
そうした証言からは、「闇バイト」が募集されてから組織を抜け出すまでの“生々しい実態”が数多く表れている。
月300万円稼げる
以下、それをベースに、「闇バイト」の実態を見てみよう。
まずは、どうやって「闇バイト」に勧誘されたのか?
架け子の見習いとして働いた30代男性はこう証言したという。
「SNSを通じて知り合った男から、『カンボジアでホテルのレビューを書く仕事がある。やらないか』と誘われました」
架け子経験者の20代女性の証言は、こうだ。
「Xで、『働く期間は最大3カ月から6カ月、月150万円から300万円稼げる』とのアルバイト募集があり、それに応募しました。テレグラムのIDを交換し、面会を約束。指定された新宿のカフェに行くと日本語が上手い韓国人のリクルーターが現れた。バイト場所はカンボジアで、『月150万~300万円稼げます』と改めて勧誘されました」
“甘い言葉”であるが、こうして勧誘に乗った彼らが見たのは、まさに“地獄”だった。
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