クマ対策で「農作を3年やめる」? 「猟友会と同じ服を着る」? “人”を学んだクマをどう遠ざけるか 旭山動物園統括園長×『クマ撃ちの女』作者対談
「服装」に効果が?
――追い払うという観点からできそうなこともありますか?
坂東:動物園のクマを見ていると、お客さんは気にかけないけど、作業服の私たちには警戒を見せるのです。餌をくれるけど、捕まえることもあるので。そう考えると、農作業や通学の際に猟友会の人と同じ服装をしてもらえば、一定の効果がある気がします。クマにしてみれば自分たちを追いかけ回す人たちであふれているわけで、これは迂闊に近寄れないなと。ちゃんとデザイン性も考えた服装にすれば、意外といける気がします。並行して対策することが大事なので、食べ物との動機付けを断ち切るのと一緒にやった方がいいですね。
安島:犬を使って追い払うのはどうですか? そういうことをやろうとしている場所があると聞いて、面白いと思いました。
坂東:放し飼いが可能な地域なら、やってみる価値はありそうです。要は、24時間動き回れることが大事です。向こうは人の行動パターンを読んで来ますから。
安島:認知力が高い動物だから、それを逆に利用しつつという感じですね。一応、個々としてはかなり気をつけるようになって、田舎にいる私の両親も鈴を持ち歩くようになっているのです。住んでいるところの近くに山がある、あるいは山に入るからにはクマと出くわすかもしれないと意識するようになったという点では、油断しすぎていた今までと比べていいことなのかもしれませんね。
***
【記事後編】では、街中や商業施設でクマと遭遇したらどう行動すべきかをはじめ、クマの駆除が生態系に与える影響、人とクマの「共生」は本当に可能なのかについて語り合う。









