橋から飛び込む「川ガキ」たち 高さ12メートルからのダイブも…令和の時代、文化と安全はどう両立?

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危険な沈下橋も 深さや水の流れを知らない人が……

 そうした安全策を講じてもなお、飛び込みなどには不向きな危険な沈下橋もある。下流域にある勝間沈下橋(四万十市)が最たる例で、飛び込みは禁止されている。

「1983年のテレビ番組で、四万十川が『日本最後の清流』と紹介されてから多くの観光客の方が訪れるようになったのですが、地元の人と違って、川の深さや流れをご存じない方もいる。勝間沈下橋もそうで、増水した際に下に引き込まれるような水の流れが発生することもあり、過去には死亡事故が起きました」(同)

 2019年9月には関西方面からやってきていた大学生のグループのうち、男女2人が勝間沈下橋から飛び込んで流され、その後遺体で発見された。これ以前にも、程度の差はあれど事故は多く発生していたといい、2009年には四万十川の旧名である“渡川”を冠した「渡川水系水難事故等防止連絡会」が、県内の自治体や警察・消防などによって設置されている。四万十市役所防災まちづくり課の担当者は次のように話す。

「2010年度より、勝間沈下橋からの飛び込み禁止の看板を設置しています。言葉は厳しくなりますが、四万十川の深さを甘く見た結果、事故を招いているのではないでしょうか。川岸近くは割と浅いものの、淵になって深いところでは水深が20メートル近くあります。ゴーグルをつけていても川底が見えないほどです」

 勝間沈下橋の近くに住む40代の男性は「まだ私が中高生の頃には禁止もされておらず、普通に仲間と飛び込みに行っていた」と話す。危険と隣り合わせの川遊びの文化は、地元にきっちり根付いているようだ。

高さ12メートル! かつてはコンテストも

 だが、四万十川の沈下橋よりも高いところから飛び込める川がある。岐阜県の中央部に位置する郡上市。7月21日に今年初の「酷暑日」を記録したこの地の街中を流れる吉田川では、街の中心部に近い新橋から12メートル下の吉田川に飛び込む姿が見られる。四万十川の沈下橋の高さは3~5メートルだから、倍以上の高さだ。

 ただし、新橋には「警告」と赤字で書かれた警告板が設置され、「この橋からの飛び込みで重大な事故が発生しています」「不慣れな方等の無謀な飛び込みは厳に自粛されるよう」などと呼びかけられている。

「郡上市としては、警告板に書いてある通りです。当然、飛び込みは推奨していません。かつてはジャンプコンテストなども行われていたのですが、観光客の方が事故を起こすケースなどもあったので、市として明確に禁止しているわけではありませんが、自粛を呼び掛けています」(郡上市観光課担当者)

 1990年代から「清流吉田川変装ジャンプコンテスト」といったイベントが行われており、当時の街の風物詩のひとつとなっていた。だが2000年代に入ると、他県からの観光客などが飛び込んで亡くなる事故も起きており、安全性の観点から、コンテストは2006年を最後に開催されていない。

 それでも地元では、子どもらが吉田川へ飛び込む文化は残っているようだ。ただし、最初から高さ12メートルの新橋からダイブ……とはさすがにいかないようで、

「新橋から数百メートル上流に行くと、八幡小学校の近くに通称『学校橋』と呼ばれる橋があり、そのたもとには、これも通称ですが『三角岩』と呼ばれるそれなりの高さの岩があります。子どもは上級生に教わりながら、最初はこのぐらいの高さの岩から始め、だんだんと高さを上げて川遊びや飛び込みを教えていく。そんな文化が以前からありました。今でも新橋からは中学生らが飛び込む姿を見かけることがちょくちょくあります。決して市としては推奨していませんが」(同)

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