生徒の自主性を重んじる時代になぜ“校内暴力が12万件超”で過去最多に? 「落ちこぼれ」と「吹きこぼれ」が教室にあふれる日本型教育の“機能不全”

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教師の精神疾患も増加

 学校や先生を異常なほど敵視し、「自分の子供は絶対に悪くない」と最初からケンカ腰の保護者もいる。いわゆる“モンスターペアレント”だ。これだと、先生がいじめや暴力行為の解決を目指そうとしても難しい。

「同じことを、同じように、同じペースで行う」──日本型学校教育の根本精神は、子供たちに“同調圧力”となって襲いかかる。今や、均質社会の崩壊と共に日本の教育現場における「一斉集団主義」の弊害は明らかだ。

 格差社会の進行は子供たちの世界にも“貧富の差”をもたらした。多種多様な価値観とライフスタイルを持つ保護者と子供たち。外国籍や外国にルーツを持つ子供も増えてきた。発達障害(神経発達症)の子供がクローズアップされることも多い。

 こうした多様性のある子供たちに一斉集団主義の教育を続けることは、ストレスと不満を高め続けるだけであり、それがいじめや暴力行為に繋がっていく。

 悲鳴を上げているのは子供たちばかりではない。文科省は昨年12月、2024年度の「公立学校教職員の人事行政状況調査」を発表した。調査によると、24年度に精神疾患で休職した公立学校教員は7087人だった。

 23年度は3年連続の過去最多となったが、24年度は減少を示した。だが、減った人数は32人に過ぎない。

拡散する「体罰必要論」

 つまり完全に高止りが続いているわけだ。日本型教育の制度疲労と機能不全は先生の精神状態にも悪影響を与えていることが分かる。

「昭和は良かった」というノスタルジーも手伝い、特にSNSでは「昔のように先生が体罰を振るえるように戻すべきだ」という意見は根強い。だが、実は体罰が横行していた時代でも、暴力行為は常態化していた。

 後編【“校内暴力”と“いじめ”が吹き荒れる令和の日本に“鉄槌教師”は必要か? 専門家が「荒れた教育現場に必要なのは体罰よりも“弁護士”“警察”“監視カメラ”」と断じる理由】では、「体罰より監視カメラ」という親野氏の主張を詳しくお伝えする──。

デイリー新潮編集部

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