森保監督「異例の半年続投」への違和感 W杯の結果はどう評価された? 曖昧な「人事判断」から見えてこないJFAの主体性
「優勝」という目標と評価基準は別物
森保監督と選手たちは、北中米W杯での「優勝」を公言していました。
この目標を過大だと批判する声もあります。しかし、現場が高い目標を掲げること自体に問題はないはずです。一部の選手から自然に出てきた「優勝」という言葉がチームを一つの方向へ向かわせ、森保ジャパンの一体感につながったことは、ピッチ上の戦いぶりからも伝わってきました。
目標には、現在の実力を超えた場所へ選手を向かわせる働きがあります。実現可能性だけを基準に目標を決めていたら、日本サッカーはW杯出場にも、世界の強豪国を破るところにもたどり着かなかったでしょう。しかし、それはあくまでもチームが目指す目標です。
監督を雇用するJFAには、それとは別に、監督の仕事を査定するための現実的な基準が必要です。高い目標を掲げることと、監督を評価する基準を用意することは両立するはずです。
評価材料はあるが判定が見えない
今回、JFAに評価材料がなかったわけではありません。7月22日に行われた技術委員会を終えた山本委員長が報道陣向けのブリーフィングで示したのは、日本代表の戦いをベスト8進出国と比較したデータでした。
日本は4試合で8得点。1試合平均2得点は、2018年ロシア大会の1.5得点を上回る日本のW杯史上最高の数字で、4試合すべてで得点したのも初めてでした。4試合のうち3試合で先制しており、攻撃面には明確な前進が見られます。
一方、失点は4試合で5点、1試合平均1.25点でした。山本技術委員長は、ベスト8進出国の多くが平均失点を1点以内に抑えていたことを指摘しています。守備のコンパクトさはベスト8基準に達していたものの、実際にボールを奪い切り、攻撃へつなげる部分では基準を下回ったという評価でした。
24日の会見ではこのほか、FIFAランキングが森保監督就任時の50位台から17位まで上昇したこと、世界の強豪国と互角に戦えるチームになったこと、世代別代表との連続性をつくったこと、チームをまとめるマネジメント能力なども言及がありました。いずれも森保監督を評価する上で重要な材料です。
問題は、それぞれをどのように重みづけし、最終的な人事判断に結びつけたのかが見えないことです。
W杯での成績、試合内容、FIFAランキング、選手育成、組織マネジメント。どれをどの程度重視したのか。森保監督はどの項目で基準を満たし、どの項目が足りなかったのか。そして、その総合評価がなぜ、アジアカップまでの続投という結論になったのか。
評価材料はいくつも示されました。しかし、それぞれをどう重みづけし、なぜ「アジアカップまで続投」という結論に至ったのか、その判定の過程は明らかにされていません。
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