「老舗百貨店」は閉店し、「シャッター商店街」に人影ナシ…富山県「高岡駅」前を歩いて分かった“閑散ぶり”をレポート 街の運命を決定づけた「北陸新幹線」開通

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観光資源は豊富だが……

 高岡には、国宝建築が集中している。前出の通り、国宝に指定されている建物を有する瑞龍寺や勝興寺があるし、日本三大仏(これも3つ目を何にするのかで諸説あるが)の高岡大仏もある。高岡大仏は大和だった建物の近くにあり、市街地にある大仏として珍しい存在だ。

 瑞龍寺の近くには、国の史跡に指定されている加賀藩2代藩主・前田利長の墓所があり、大名個人の墓としては国内でも最大級の規模とされている。また、かつての城跡を整備した高岡古城公園や、伝統的建造物群保存地区に選定されている土蔵造りの街並みなど、歴史好きにはたまらない名所がそろっている。しかし、それらの多くは、駅から離れた場所にあるものが多い。

 観光客は、新高岡駅か富山駅で下車し、レンタカーを借りて向かうパターンが多いと思われる。これでは、高岡駅前はスルーされてしまっても仕方がない。高岡駅周辺には特急が停車していた頃に開業したビジネスホテルが多くあるのだが、この状況では閉店するホテルが出てくるのも時間の問題かもしれないと思った。

新幹線のルートから外れる悲劇

 新幹線の開通は地方にとって大きなチャンスをもたらす。しかし、富山駅や金沢駅のように、それまでの中心駅に新幹線が来るのであれば問題ないのだが、問題は高岡の事例のように、何もない郊外に駅ができてしまうパターンである。これは、逆に新幹線が中心市街地の活気を吸い上げるパターンになりかねない。

 それまでは特急が停車する駅だったのに、新幹線が開通するとそれらが廃止され、ローカル駅の一つになってしまった事例は多数ある。平成以降の事例では、北陸新幹線のルートから外れた小諸駅や鯖江駅、九州新幹線の阿久根駅、東北新幹線の三沢駅など、全国に同じような事例がいくつも見られる。

 新幹線はどこを通ってもいいというわけではない。巨大プロジェクトだけに、ルートの選定はその後の都市計画に大きな影響を与える。北陸新幹線の延伸区間にあたる京都府内の駅は、従来の京都駅ではなく、桂川駅周辺に設置されることになった。東海道新幹線と北陸新幹線、それぞれの別の場所に駅ができるという珍事であるが、果たしてどうなるのだろうか。

ライター・宮原多可志

デイリー新潮編集部

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