「スタンガンで感電させられ、上の階から排泄物が…」 「習近平」が黙認、日本人駐在員が恐怖する「中国刑務所」の“残酷すぎる実態” 半年分の労働の“信じられない賃金”とは

国際 中国

  • ブックマーク

10日間食事なし

 一方、ラダル氏と対照的なのが、中国の少数民族のウイグル族で、かつて北京の中央民族学院の教授だったイリハム・トフティ氏(57)だ。イリハム氏は2014年1月、「新疆ウイグル自治区の独立をよびかけていた」として「国家分裂罪」で逮捕、投獄された。その際、10日間にわたり食事が提供されず、20日間以上にわたり足かせをかけられ、イスラム教徒が口にできない食材を出され、事実上の絶食を強いられたという内容の供述を弁護士にしている。

 14年9月23日、判決公判が同自治区ウルムチ市中級人民法院(地裁)であり、イリハム氏に無期懲役の判決が言い渡された。同年11月21日に開かれた高級人民法院の上訴審でも無期懲役の判決が下されて刑が確定し、現在服役中だ。今後、一生、獄中から出ることができないと予想されるが、イリハム氏が現在どのような獄中生活を送っているのか、情報はまったくなく、想像するしかない状況だ。まさに暗黒の“塀のなか”だ。

 こうした実態は、人権団体によって度々告発されているが、当局は一向に改める気配がない。習近平が黙認していると指摘されても仕方ないだろう。

日本人2人が逮捕

 このような状況は日本人にとっても“対岸の火事”ではない。

 中国で大手電機メーカー「富士電機」グループの日本人社員2人が6月下旬、レアアース磁石を許可なく輸出したとする「国家輸出入禁止貨物密輸罪」の容疑で拘束され、その後、正式に逮捕された。当局は同時に、この事件に関連して複数の中国人についても逮捕したと伝えられている。取り調べの対象は10人以上にも及び、輸出を仲介した業者や税関の関係者らに対して大規模な取り締まりが行われたとみられている。

 中国当局は、日本人社員2人が、日本で取り外す目的でレアアース磁石をモーターなどの製品に組み込んだと問題視。こうした手法に中国側の関係者も関与していたとみているようだ。日中双方の関係者を逮捕したことは、日本側だけでなく、中国国内に向けても警告をする狙いがあるとみられる。

 さらに、この逮捕とほぼ同時に、中国商務部(省)は「国家の安全と利益を守り、軍民両用品目の不拡散等の国際的義務を履行するため、日本の軍事力強化に関与している日本の20企業・団体を輸出管理規制リスト(エンティティ・リスト)に加え」たことを明らかにしており、今後も日本人が捜査の対象になることが予想される。

 万が一、実刑、投獄となれば、報告書に書かれているよjな待遇を受けかねない。在中国日本人にとっては恐怖でしかない。

相馬勝(そうま・まさる)
1956年生まれ。東京外国語大学中国語科卒。産経新聞社に入社後は主に外信部で中国報道に携わり、香港支局長も務めた。2010年に退社し、フリーのジャーナリストに。著書に『習近平の「反日」作戦』『中国共産党に消された人々』(第8回小学館ノンフィクション大賞優秀賞受賞)など。

デイリー新潮編集部

前へ 1 2 3 次へ

[3/3ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。