トランプ氏の「強弁」が止まらない 米国トヨタ増産は「自分のおかげ」、凝りもせずまた関税…AIバブルが弾ければ「新たな奇手」で混乱必至か
「AIは冬の時代を迎える」との予想
経済政策への評価が低いトランプ政権にとって頼みの綱は好調な株価だ。イラン戦争が泥沼化しつつあるにもかかわらず、人工知能(AI)や半導体関連株が相場を牽引する構図となっている。
だが、ここに来て、米国を始め世界の株式市場でAIや半導体関連株の下げ傾向が強まっているのが気がかりだ。
ブルームバーグは27日、米テクノロジー大手と投資家の間には長年、「AIへの巨額投資を続けても、売上高が伸びている限り、株式市場はこれを評価する」という暗黙の了解があったが、その前提が崩れ始めていると報じた。
その典型例が、グーグルを傘下に持つアルファベットだ。
23日、同社が今年の設備投資計画について最大2050億ドル(約33兆5900億円)への引き上げを発表すると、株価は7%以上急落し、約1年ぶりの大幅安となった。同社のクラウド事業の売上高は市場予想を大きく上回る82%増だったが、第2四半期のフリーキャッシュフローが2004年の上場以降初めてのマイナスとなったことが災いした。
ブルームバーグは、投資家がテクノロジー大手の巨額の設備投資を懸念するようになっており、AIは冬の時代を迎えるのではないか、と指摘する。
米国中からデータセンターに「NO」
AIを巡る環境の悪化も見逃せない。
ロイターは18日、データセンターの急速な建設に反対する人々が、米国42州の142カ所で抗議活動を行ったと報じた。AIインフラの拡大に抗議する全国規模の取り組みはこれが初だ。抗議活動を主導したのは、共和党寄りで保守系の草の根団体「ヒューマンズ・ファースト」。説明責任を伴わないデータセンターの建設は自由に対する容認できない侵害と、参加者らは反対の声を上げた。
州政府がデータセンター規制を強化する動きも出ている。
日本経済新聞は23日、米大手テクノロジー企業オラクルが中西部ウィスコンシン州で進めるデータセンター計画に関して、州政府が70億ドル(約1兆1000億円)超の担保を求めていたことを報じた。オラクルの事業が行き詰まると、同社に大量の電気を供給する地元の電力企業の経営が悪化し、電気料金の引き上げなどにより地元住民に悪影響が及ぶという理由だ。
トランプ氏の動向を左右するAIバブル
テクノロジー大手の財務内容についても疑問の声が上がっている。
日本経済新聞は21日、ビッグテック主要5社(アルファベット、マイクロソフト、アマゾン・ドット・コム、メタ、オラクル)におけるAI関連投資の簿外債務は合計で1兆6500億ドル(約268兆円)いう試算結果を公表した。
その規模は約4年で8倍となり、実際の債務(1兆3500億ドル)を上回っているから驚きだ。リスクの検証が困難となれば、金融市場がネガティブな反応を示すのは過去の歴史が教えるところだ。
「AIバブルが崩壊する」と断言するつもりはないが、株価が暴落することになれば、トランプ氏の支持率がさらに下落し、中間選挙で共和党が敗北するリスクが高まるのは確実だ。危機感を募らせたトランプ氏が奇手を打ち、米国社会の分断がさらに進むのではないかとの不安が頭をよぎる。
同盟国である米国の動向は、日本の行く末を大きく左右する。引き続き高い関心を持って注視すべきだ。
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