「あなたと私は恋愛関係になる運命」…信者6人の命を奪った「女祈祷師」の“色と欲” 暴力的な“御祓い”のきっかけは「21歳の元自衛官男性」
信者を殺害し、遺体と同居
第1回【体液が沁み出し、捜査官も呼吸ができないほどの腐臭…「信者6人」の死体と共同生活、主犯の「女祈祷師」と複雑怪奇な人間関係】を読む
女祈祷師から精神的に支配された信者が、おなじ信者を太鼓のバチで殴るなどして殺害し、その遺体とともに暮らしていた――。1995年7月に発覚した「福島悪魔祓い殺人事件」は、カルト宗教絡みの事件のなかでもその異様さが顕著である。起訴後も被告4人の精神鑑定で公判が3年間延期されるなど物議をかもしたこの事件を、「週刊新潮」のバックナンバーで振り返る。
(全2回の第2回:以下、「週刊新潮」1995年7月20日号掲載記事を再編集・加筆しました。文中の年齢は事件発生当時のものです)
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元は優秀なセールスレディ
江藤幸子は昭和22年、須賀川市内で生まれている。父親を早くに亡くし、母親の手一つで育てられた。知人によれば、
「父親は遊び人で代々持っていた田畑を人手に渡している。母親は専売公社に勤めて幸子を育てたが、幸子は地元の高校を卒業後、母親の男関係がイヤで、家出同然に家を出たそうです」
その幸子が就職した先は地元のガス会社。ここで高校の同級生でもあった男性(47)と同僚となり、結婚。一男三女に恵まれている。
「夫はその後、ペンキ屋を始め、幸子さんはある化粧品会社のセールスレディになったんです。彼女は頭の回転が速く口も達者。努力家で営業 成績もよかった。月に100万円、半期で600万円の売上げを達成したこともあって、東京のホテルで表彰される“優秀レディ”に選ばれたこともあったんですよ」(かつての同僚)
ギャンブルにハマった夫が失踪
が、そんな幸子が宗教にのめり込むのは、夫のギャンブルがきっかけだった。
「もともと夫婦して宗教にかぶれるタイプだったんですが、まず夫の方が“神の郷”という新興宗教(のちに“天子の郷”と改名する)に入り、あとを追うように幸子も入るんです。幸子は夫がいわき市の平競輪に凝って、1レース十何万円も賭けるようになって首が回らなくなる。神の郷でも信者仲間で女ができ、それで家に帰らないこともあった。幸子は悩んで、地元の須賀川市内の祈祷師のところに相談に行ったりしていた。そのうちに神サマを信じるようになっていくんです」(事情通)
何度も彼女の相談を受けた女祈祷師(77)はこういう。
「さっちゃんは家をあけたままの夫がいつ帰ってくるかと、よく聞きに来ていましたよ。旦那はもとはまじめで腕のいいペンキ屋だったそうだけど、ギャンブルのせいで段段、ヤル気がなくなってきたんだろうね。仕事をよく休むようになってその内、仕事が来なくなったそうです。さっちゃんは将来、ラーメン屋をやりたい、なんて夢も持ってたんだがねえ……」
昭和59年に建てた家も、差押えを食らうような状態に陥り、幸子は始終、金策に走り、あちこちに借金をこしらえていたという。やがて夫は3年ほど前に失踪。幸子の宗教への傾倒にますます拍車がかかるようになる。
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