「夫婦別姓は家族の絆を弱める」のに「女性皇族は結婚しても夫の苗字を名乗れない」のか? 「皇室典範改正」の気になる矛盾点

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親戚ではあるものの

 もう一つの論拠は、11の旧宮家のうち、今の天皇家の直系祖先である閑院宮家は既にないため、残る10の旧宮家全てが、現在の皇室と男系男子の血筋として共通する祖先のこと。実に、約600年前の室町時代を生きた、伏見宮貞成親王にまで遡らなければならないのだ。

 貞成親王は、第102代後花園天皇の父親に当たる人物だが、その子孫といっても、男系の遠戚としてはあまりにも遠い。立民関係者も「それを理由に旧宮家を天皇家の親戚と捉えるなんて、一般感覚からはかけ離れている」と疑問を呈す。

 一方で「一般常識に照らして女系を考慮に入れれば、今の皇室とはまさに縁戚関係にある」とする意見も根強い。

 例えば、竹田宮家には明治天皇の6女である昌子内親王が嫁いでおり、朝香宮家には明治天皇の8女の允子内親王が嫁いでいるからだ。ましてや東久邇宮家には昭和天皇の長女の成子内親王が嫁入りしているほか、2歳の時に皇族の身分を失い2019年に亡くなった東久邇信彦氏は上皇陛下の甥。親戚そのものだ。自民党支持層の中には、それを論拠に旧宮家の血筋が遠すぎるとする見方は「間違いだ」と批判する声も少なくない。

 一方、国会に提出された改正法案では、女性皇族が結婚後も皇室に残る道を選んだ場合、その夫と子供は「皇族にはしない」とした。立民側は「妻だけが皇族で、他の家族は一般国民といういびつな関係では、家族の一体感を損なう」として、夫と子への皇族の身分付与を主張。「女性皇族を家族とともに住民基本台帳に載せることで、一体感は保たれる」とする自民党タカ派との議論は平行線をたどってきた。ようやくまとまった「立法府の総意」でも、この点が最大の争点となっていた。

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