マイケル自伝映画はなぜ日本でもヒットしたのか? “世界的ミュージシャン”を“名優”が演じても「ボヘミアン・ラプソディ」以外に大ヒットが見当たらない“伝記映画”の謎
止まらないヒット
6月26日から28日の「国内映画ランキング」(興行通信社調べ)が発表され、マイケル・ジャクソンの伝記映画「Michael/マイケル」(キノフィルムズ)が週末3日間で動員41万4000人、興行収入6億6700万円をあげ、公開から3週連続1位を獲得した。累計成績は動員245万人、興収39億円を突破している。
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マイケルの関連作品といえば、09年6月25日の急逝を受け、同年7月から予定されていた英・ロンドン公演のリハーサル映像を基に製作されたドキュメンタリー映画「マイケル・ジャクソン THIS IS IT」が同年10月28日(日本時間)に日米同時公開された。日本では興収52億円を記録するヒット作となった。
また、これまで日本で公開された海外の超大物アーティストの伝記映画といえば、「マイケル」の製作にも名を連ねる映画プロデューサー、グレアム・キング(64)が手がけた、クイーンのリードシンガー、フレディ・マーキュリーの半生を描いた「ボヘミアン・ラプソディ」(18年=日本公開年、以下同)が真っ先に思い浮かぶ。
「『ボヘミアン~』はコロナ禍前の公開で、映画館のチケット代は現在より安かった。動画配信サービスもまだ国内で十分に浸透していない時期だったことも追い風となり、興収131億円を記録しました。同作の公開3週目の興収は23.3億円。『マイケル』もこのペースなら興収100億円超え、さらには『ボヘミアン~』を上回る可能性も十分あるでしょう。ただ、『ボヘミアン~』の成功を受けて、その後も海外の超大物アーティストの伝記映画が相次いで公開されましたが、なかなかヒットには恵まれませんでした」(映画担当記者)
2000年以降に日本で公開された海外のレジェンドアーティストの伝記映画といえば、04年に73歳で亡くなったレイ・チャールズの約30年間に焦点を当てた「Ray/レイ」(05年)がある。主人公を演じたジェイミー・フォックス(58)は、この作品で数々の映画賞を総なめにし、一躍名優の仲間入りを果たした。作品も全米で1.2億ドル(約195億円)の興収を記録したが、日本では苦戦した。
「大手スタジオの資本が入っていないインディペンデント映画だったため、製作費だけでなく宣伝費も抑えられ、大規模公開には至りませんでした。日本でもほとんど話題にならず、『国内映画ランキング』でも公開初週からトップ10圏外でした」(映画業界関係者)
その後、“ファンクの帝王”と呼ばれたソウルシンガー、ジェームス・ブラウンの半生を描いた「ジェームス・ブラウン 最高の魂を持つ男」(15年)が公開された。ローリング・ストーンズのボーカル、ミック・ジャガー(82)が製作に名を連ね、ブラウン役は「42~世界を変えた男」(13年)や「ブラックパンサー」(18年)で知られ、20年に43歳で急逝したチャドウィック・ボーズマンが熱演したが、全世界での興収は約3340万ドル(約48億円)にとどまり、日本でもヒット作とはならなかった。
同作の日本公開から3年後の18年11月9日に公開された「ボヘミアン~」は、前述の通り興収131億円を記録。同年に国内公開された洋画では、7月公開の人気シリーズ最新作「ジュラシック・ワールド/炎の王国」の80.7億円に大差をつけ、ぶっちぎりの1位となった。
その成功を受け、その後は海外のレジェンドアーティストを題材にした伝記映画が相次いで公開されることになる。
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