もうタッチパネル注文は勘弁してくれ! 「ニシンの酢漬け」は“冷菜”“オードブル”“おすすめ”“魚料理”どのカテゴリーに…結局、紙のメニューが一番なのでは

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「ニシンの酢漬け」がどこにあるかわからない

 そんな経験をしたのちに、当サイトでもライター・宮原多可志氏による「『とにかく券売機が操作しづらい』『コメの味が変わった』…SNSで牛丼チェーン『松屋』に対する苦情が絶えないのはナゼか」という記事が登場し「同志がおったか……」と思ったのだ。

 もっとも、私自身もタッチパネル全般に対して苦手意識があるわけではない。ファミレスチェーン・ガストのタッチパネルは便利だと思っている。何しろ、卓上のメニューに番号が書かれており、それを入力することも可能だからだ。それに、宮原氏も指摘するように、各席のタブレットの方が、後ろからのプレッシャーがなく、焦らないで済む。

 タッチパネルとタブレット注文について考える日々が続いた中、30・40代の友人5人、とあるビアホールチェーン店に行ってきた。デジタル系に慣れた40代女性が皆の注文を聞き、選んでくれたのだが、とにかく頼みたい商品に行き着かない。

「季節の逸品」「おすすめ」「オードブル」「温菜」「冷菜」「肉料理」「魚料理」「限定品」「揚げ物」「ソーセージ」「唐揚げ」などとあるのだが、卓上のメニューで見た「ニシンの酢漬け」が果たしてどこにあるのかが分からないのだ。正直、オードブルなのか冷菜なのか魚料理なのか、挙げ句の果てには「おすすめ」なのかすら分からない。タブレットの全カテゴリーを見る前にソーセージを「肉料理」だと思い、「あれ、ない」「えっ? 戻ってみれば」などと初回の注文に至ることすらできない。

 メイン商品であるビールにしても、カテゴリーが多すぎる。卓上メニューでは一覧になっていてわかりやすいのだが、タブレットではなぜか細分化されている。しかも、ようやくお目当てのビールに辿り着いたかと思えば、デカデカとそのビールの解説が上段3分の2ほど書かれていて、そこを触っても先に進んでくれない。

結局卓上メニューが一番分かりやすい

「あぁ、ここは広告のページなのか、間違えたか」、と思ってTOPに戻り「やっぱあのタブだよな」と再び来ても同じ画面。「えっ? またこれ?」などと一同困惑した後、下の方に「注文するボタン」があるのを発見し、無事注文。さらに、その時卓上のメニューでオススメしていた春巻きを頼もうとしたら、これがどこを探ってもない。「季節の逸品」なのか「おすすめ」なのかと思っても見つからない。最終的には「店員さんがビールを持ってきたら操作してもらおう」となった。まぁ、売り切れだったのだが。注文に四苦八苦した女性はこう語った。

「タブレット内でカテゴリーに分けてあるものもあるけど、それもまた分かりにくい。店側が思うカテゴリーとこっちが思うカテゴリーが違うことあるし。結局全メニューを見られず後から『え? こんなメニューあったの!』となりがちです。昔の紙のメニューはひと通り見ることができて“みんなで何食べる?”とワイワイしながら選べたのにな〜と思います。人件費の削減かもしれないけど、だったらもっと消費者にわかりやすい作りにしないとですね。あと、自分のスマホで操作させるタイプありますよね。あれはもっとゲンナリですね」

 結局卓上メニューが一番分かりやすいのだ。タブレットの画面でそれを再現するのは難しいのは分かるが、前述のガストのように「番号」で指定できるとやりやすい。また、系列のうどんチェーン「資さんうどん」も分かりやすい。カテゴリーはフェア、しあわせ満腹、うどん・そば、丼・カレー、おでん・単品・おにぎり――などとなっており、すぐに辿り着ける。

 もちろん店側の負担を減らす必要はあるものの、UI(ユーザーインターフェース)次第では注文に余計な時間がかかるのも事実である。それにしても、タッチパネルが不便だと感想を述べたら攻撃されるというのは一体どんな心理が働いているのか不思議である。もはや、「慣れない」「難しい」といった感想すら許さない層が一定割合いるということであろう。ただ、店員にしても「我々に問い合わせがないよう、本部はUIを分かりやすくしてくれ!」と思っていることであろう。UIが分かりづらいと結局店員も客も苦労してしまうのである。

ネットニュース編集者・中川淳一郎

デイリー新潮編集部

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