いまやショッピングモールや商店街の空きテナントは「カプセルトイ」ばかり…“ガチャガチャ屋さん”が急増する日本特有の不動産事情とは
池袋、秋葉原、新宿など、首都圏の至るところで“ガチャガチャ”こと、カプセルトイの販売機を目にするようになった。その設置場所はテナントビルや大型商業施設、郊外のショッピングモール、さらには百貨店、商店街の空きテナントにまで及ぶ。とにかく至るところにカプセルトイが増えたと、感じている人も多いのではないだろうか。
カプセルトイが増えた理由の一つに、近年の推し活ブームが挙げられる。アニメやアイドルなどのグッズ需要の高まりや、“キダルト”という言葉に象徴される大人向けの玩具が普及したことだ。実際、高価格帯のカプセルトイは極めて精巧な玩具も多く、大人が夢中になる気持ちもよくわかる。
とはいえ、いくらなんでもカプセルトイは増えすぎである。ここまで増えてた根本的な理由は何なのだろうか。【取材・文=宮原多可志】
【写真】つい回したくなる? テナントビルの空きスペースにびっしりと並ぶカプセルトイ販売機
コロナ禍で設置台数が急増
カプセルトイは1965年に日本に初めて輸入され、もともと人気が高かったが、設置台数が爆発的に増えたのはコロナ禍の時期といわれている。この時期は、巣ごもり需要でNetflixなどの動画配信サイトの契約者数が増え、アニメのファン層が大きく拡大し、推し活ブームが起こった。
ブームの影響を受け、アニメ関連のカプセルトイが以前にも増して積極的に発売された。手のひらサイズの小さなフィギュアからラバーストラップまで、これまではアニメショップに置かれていたようなマニアックな玩具が、一般の人たちも多く集まる空間で販売されるようになったのは画期的だった。
と同時に、コロナ禍で長引いた自粛ムードのなか、既存の店舗の来店者数が激減。深刻な売上難に陥り、テナント料を払えない店舗が相次いだ。結果、都心のテナントビルやショッピングモールから撤退する店舗が増加した。
通常なら、駅前や繁華街などの人気の立地であれば、退店があってもすぐにテナントが埋まるものだった。しかし、コロナ禍では、一時は原宿の竹下通りが空き店舗だらけになったように、長期間にわたってスペースが埋まらないケースが続出した。そこで、少しでも賃料の足しになり、一時的に置いておけるものとしてカプセルトイが選ばれたのだという。
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