若者がドンキで「クジラの刺し身」を買う時代に…「鯨肉」が再び“身近な食材”になった背景とは

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もはや“懐かしの味”ではない

 反捕鯨派が多数を占めた国際捕鯨委員会(IWC)を脱退し、日本が2019年7月に商業捕鯨を再開してから丸7年が経過した。現在は、南極海などの外洋ではなく、自国の領海および排他的経済水域(EEZ)に漁場を限定して、厳格な資源管理のもとで捕鯨を行っている。クジラがポピュラーだった昭和の時代から長い時間が経過し、近年はクジラの味を懐かしむ声も消えつつある。希少な高級品のイメージさえある鯨肉だが、ここへきて身近な食材へと変わり始めている。【川本大吾/時事通信社水産部長】

 今年6月8日朝、宮城県の仙台港に捕鯨会社・共同船舶(東京、所英樹社長)の大型捕鯨母船「関鯨丸」が入港した。船では、4月下旬以降に房総半島や三陸沖の太平洋、オホーツク海などで捕獲したニタリクジラとナガスクジラが水揚げされ、その場で処理される。船内に積み込まれた大量の鯨肉製品は実に520トンにのぼり、船員がその一部を運び出していた。

 翌9日早朝には早速、仙台市中央卸売市場に関鯨丸で処理されたナガスクジラの生肉2トン余りが、数多くの発泡スチロール箱に分けられて上場された。市場業者による入念な品定めの後、競り取引が行われ、最高級の「尾肉」1箱(0.8キロ)には、1キロ当たり40万円という最高値が付いた。豊洲市場初競りの本マグロ並みのご祝儀相場だけに、仙台市場の関係業者の間からもどよめきの声が上がった。

 仙台市場で豊洲の初競り並みの超高値がついたとはいえ、すべてのクジラが「大間のマグロ」のような高嶺の花というわけではない。そもそも関鯨丸がキャッチャーボートで捕獲したナガスクジラは24頭。船内で解体し、製品にしたのは402トンなので、最高値が付いたのは、全体のほんの一部である。

 実際この日、最高値以外のナガスクジラの尾肉は、2番がキロ5万円。その他の中心値はキロ1万円台となった。さらに赤肉については、平均でキロ4000円前後。これらは希少な生肉であり、流通する鯨肉の大半は冷凍物である。そのため、比較的リーズナブルな価格で流通しているケースも少なくない。

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