皇室典範改正に憲法改正… 政権の“軍師”が明かす日本の行方 木原稔官房長官×櫻井よしこ
長期戦への備え
木原 私の立場ではなかなか言いにくいことですが、中朝の軍事力の増強、あるいは中露、露朝の連携強化は事実です。特にロシアによるウクライナ侵略で、無人機の大量運用による新しい戦い方が世界中に浸透しました。しかも、ウクライナでも中東でも昨今の戦闘は短期で終わりません。長期戦への備えを急ぐ必要があります。まさしく今、「3文書」を作るにあたり、そうした安保環境の変化に迅速に対応すべきです。ただし、櫻井さんご指摘の「核問題」はなかなか話しづらい。日本は自らの国は自ら守るとの強い覚悟を持ち、国民の命と平和な暮らしを守り抜く。「3文書」については、これから自民、そして日本維新の会からも提言が出てくる予定で、そこから具体的な内容を詰めていきます。
櫻井 木原さんは第2次岸田第2次改造内閣で防衛相を務め、今でも省内で語り草になるほど意欲的に取り組まれた。高市政権における小泉進次郎防衛相の活動は、どう見られていますか。
木原 小泉防衛相はコミュニケーション能力と発信力が高い。日本の立場を各国に理解してもらうべく頻繁に各国を訪問しています。
櫻井 ご自身が防衛相だった頃と比べていかがですか。
木原 今の日本は防衛力を高め予算を増やしていく中で、周辺諸国の理解を得る必要がある大事な時期です。小泉防衛相のやり方は今の時宜にかなっています。
“日清戦争前夜”
櫻井 4月21日に政府は「防衛装備移転三原則」の改正、いわゆる「5類型の撤廃」を行いました。これにより日本の防衛産業が生産する武器装備品は外国に輸出できるようになり、アジアのみならずヨーロッパ諸国も「本当によくやってくれた」と驚くほど好意的な反応を示してくれました。その当時は、木原さんも政権への支持率が落ちると懸念されていましたが、結果は微減でした。
木原 まさしくそれは諸外国に対する説明が功を奏して、正しい理解が得られた結果だと思います。もう一つは韓国との関係がうまくいき始めたことも大きい。私が防衛相時代、約6年ぶりに日韓の防衛交流と協力を再開したのを契機として、総理のシャトル外交が可能にまでなりました。日韓の連携強化は、日米、米韓関係にとっても良い方向へ作用すると思います。
櫻井 日韓関係が良好な一方、前述した中朝会談では中国が北朝鮮の核を認めつつ懐柔しようとしています。北朝鮮の日本海側にある旧日本軍が作った羅津(ラジン)港。そこへのアクセス権を中国が得ようともくろんでいると指摘されてもいます。そうなれば、大げさな言い方ですが“日清戦争前夜”のような緊張が生じる。もっと安保論議を加速しなければ手遅れになりかねない。
木原 高市総理は、国交がない北朝鮮と首脳会談をやりたいと仰っています。最優先の課題である拉致問題の解決が主な目的ですが、もちろん日中関係においても北朝鮮問題は重要なテーマですから、引き続き真剣に考えていきます。
櫻井 今後も高市総理と木原さんのチームに大いに期待します。今日はありがとうございました。
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