皇室典範改正に憲法改正… 政権の“軍師”が明かす日本の行方 木原稔官房長官×櫻井よしこ
「産経新聞対その他」
櫻井 オールドメディアの報じ方に問題があるとしか思えません。普段はリベラル系の朝日新聞と、どちらかというと保守系の読売新聞が対峙するわけです。ところが、今回は驚いたことに「読売」が「朝日」より踏み込んで、女性・女系の継承をあらかじめ封じようとしているという持論を展開。正副議長案が出された時には「改めて有識者会議を設け、議論をし直すべきだ」と、ちゃぶ台返しまで求める始末です。
木原 確かに新聞報道では「産経新聞対その他」という構図になっています。
櫻井 官房長官として、もどかしさを覚えるのは当然です。国民の一人として気になるのは、女性皇族が結婚後も身分を保持して、夫と子供に皇族の身分を与えれば女系天皇への道が開けてしまうことです。これは議長案に盛り込まれた〈皇室の歴史に整合的〉という文言で防げると考えますか。
木原 政府の有識者会議の報告にも、幕末の皇女和宮(かずのみや)は、徳川14代将軍家茂(いえもち)と婚姻した後も、内親王の身分を持ち続け、家茂が皇族となることはなかった例が引かれており、この考えでしっかり整理することができると思います。
安倍総理の念願
櫻井 分かりました。次に肝心の男系男子の血筋を引く方々の「養子案」は、どのように制度設計を進めるのでしょうか。今は四つの旧宮家が男系男子を擁していらっしゃいますから、皆さん養子になられてもいい。私はそう考えますが、官房長官としては言いづらいでしょうか。
木原 そうですね。衆参正副議長のとりまとめでは、「本人の意思を考慮した養子となり得る者の年齢」ということが、養子の制度設計に関し述べられています。
櫻井 年齢要件は付けない方がよいのではありませんか。赤ちゃんの時から皇族として育てればよいでしょう。確かに、民法では「15歳未満の養子縁組は親など法定代理人の承諾を要する」とありますが、皇室は特別な存在だと思います。
木原 具体的な制度設計はこれからですが、未成年の子を対象とするとした場合、職業選択や居住移転などの自由が制限されることについて、きちんとした判断ができるのか。例えば、15歳は昔なら元服の年で、十分判断できるでしょうが。
櫻井 人権が制約されると疑問視する声もありますが、古来の伝統をお守りになって活躍していただくためには、若い方にもお願いしていいのではないでしょうか。
木原 もちろんさまざまなお考えがあると思いますが、まだ具体的には決まっておりません。
櫻井 そういう意味ではこれからが大仕事ですね。安倍総理の念願でもあった大きな課題を一つ解決すれば、高市総理への評価は高まる。その延長線上には、国の基を正していくという意味での憲法改正があります。総理も1年以内というめどを仰っています。先の衆院選で3分の2超えの勝利を得たのであれば、死に物狂いで国会議論をして、9条2項の削除まで踏み込んでほしいと切望します。
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