「体罰は絶対に許せません!」という人が目を背ける「2024年に校内暴力が過去最多」を更新した現実…崇高な理念だけで子どもは守れるか

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崇高な理想だけで子どもは守れない

 しかし、物江氏はこうした方針が現場に浸透するかについて懐疑的だ。

「現場がこの文科省の要請に応え、出席停止制度を適切に活用するかと問われれば、それは極めて疑わしい。なぜなら、学校現場は長年にわたり『どんな生徒であっても学校から排除してはならない』という、ある種の呪縛に囚われてきたからだ」(同)。

「私は生徒を見捨てない」と叫ぶ学園ドラマの教師のような姿勢が、現場で断固たる措置を取ることを妨げてしまっているということだろうか。しかしその結果、同級生らに暴力をふるうような子どもが登校し続け、被害を受けた側が不登校になるといった事態も招いてしまいかねない。

 物江氏はこう説く。

「戸塚氏の体罰を取り入れた教育を真に否定するならば、崇高な理想を掲げても仕方がない。人間が社会生活を送るための『訓練』の重要性を再認識し、いざという時には躊躇なく『非常時モード』(注・ここでは出席停止制度のこと)を作動させる必要がある。体罰を否定する社会であるならば、なおのこと法と制度に基づいた秩序維持機能を取り戻さねばならない

 綺麗な理想や建前に固執する裏で、何の罪もない子どもたちが学校から弾き出されている。我々はまず、その理不尽な現実を直視すべきである」(同)

「話し合えばいつかわかりあえる」と繰り返すだけでは解決できない問題がある。体罰は用いないとしても別種の力、つまり何らかの強制力を教師や学校が行使しなければならない局面は存在している。その認識は少なくとも必要ということだろうか。

デイリー新潮編集部

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