スーパーの“コメ安売り”に歓喜の声も…新米の季節を前に専門家は「備蓄米の買い入れで“高値維持”の可能性」を懸念 コメ支出が“前年比1・5倍”に急増した2025年「コメ騒動」の余波

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鈴木農水相の「買い支え」

 最近になって首都圏でも3000円台のコメが店頭に並ぶようになってきた。これは在庫を減らすため損を覚悟で卸業者が“放出”したコメだ。

 XなどのSNSでは「コメ5キロ2000円台まで下落してほしい」という声が目立つ。だが大泉氏は「私は以前なら『3000円台までは下がる可能性がある』と予想していましたが、備蓄米の入札が始まって分からなくなりました」と言う。

「農水省は4月から6月にかけて4回、備蓄米の買い入れ入札を行いました。これは2年ぶりの再開になります。注意が必要なのは、買い入れるのは今年の秋に収穫される2026年産の新米だということです。落札価格は発表されていませんが、一部報道によると、市場価格よりも高額だった可能性があるようです。新米の供給量が減れば、価格は上がるのが経済学の原則です。つまりコメ価格の下落を押しとどめる政策と言えます。これでは鈴木農水相による露骨な買い支えと批判されても仕方がないでしょう」

 さらに、江藤農水相の時に放出した備蓄米を買い戻すことも決定している。毎日新聞(電子版)は4月、「農水省、放出した備蓄米15万トンを買い戻しへ 買い入れも再開」との記事を配信した。

「誤報」と噛みついた鈴木農水相

 記事によると、2025年に緊急放出した政府備蓄米計59万トンのうち、農林水産省が26年度中に最大15万トン分を買い戻す方針だという。鈴木農水相はXに「誤報」と投稿したが、実際に予算は計上されていることをTBSや日本経済新聞が報じている。鈴木農水相の“抗議”をそのまま鵜呑みにできないことは間違いない。

 いずれにしても、鈴木農水相は「コメの価格はマーケットで決まるべき」を“座右の銘”としているにもかかわらず、随分とマーケットに介入しているようなのだ。

 実際、農水省の本音は「コメ価格の高値安定」だという。消費者の望むコメ政策とは正反対と言っていいだろう。

 第2回【日本人の“コメ離れ”が加速も…なぜ農水省は“減産で高値維持”の方針を変えないのか 専門家が「コメ価格を安くすることは農家にとっても有益」と指摘する理由】では、日本人のコメ離れが進み、パンと麺類にシフトしているのを国は放置。生産量を抑えてコメの価格を上げようとしている実態をお伝えする。

註:家計調査の「1世帯当たり年間の品目別支出金額,購入数量及び平均価格 時系列(2002年~2024年)-二人以上の世帯」と、2025年の「都市階級・地方・都道府県庁所在市別1世帯当たり支出金額,購入数量及び平均価格」

デイリー新潮編集部

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