求刑27年の内田梨瑚・判決現地レポ「傍聴希望者はまるで井戸端会議のようだった」

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カフェで井戸端会議に花を咲かせる傍聴希望者も

 旭川地裁のB棟1階にある食堂で、傍聴の抽選番号が書かれた黄色いリストバンドを手に巻かれ、職員から当選後の手続きについて説明がなされると、傍聴希望者は建物の外へ。

 抽選の申し込みは13時30分に締め切られ、結果が発表される14時まで30分ほどしかなかったものの、想像以上の希望者が地裁を訪れたこともあってか、敷地内の掲示板ではなく、インターネットでの結果閲覧を懸命に訴える職員の姿が印象に残った。

 そのような背景もあり、当選者が決まるまでの30分間は、地裁の前で偶然出会った知人に挨拶を交わす人々の姿や、抽選に申し込んだ証しでもある黄色いリストバンドを腕に巻いた人々が、地裁の近所にあるカフェやファーストフード店に次々と押しかけ、井戸端会議に花を咲かせる光景も随所に見られた。それでも地元が生み出してしまった凶悪犯が、どのような法の裁きを受けるのか。一見普段と変わらない日常を過ごしているように見える中にも、近隣に住むものにしか共有できない複雑な気持ちや、事件によって少なからず傷つけられてしまった故郷の“悪評”に対するやり場のない思いをどこにぶつけるべきなのか。事件をきっかけに抱いたさまざまな感情の落とし所を、傍聴者もまた必死に探し求めているようにも感じられた。

乱入者に地裁前も騒然

 結論から言うと、残念ながらわずか24席しかない一般傍聴席の抽選に漏れ、筆者は法廷内に立ち入ることは叶わなかった。

 だが、地裁の前で開廷時刻の15時を迎えたころ、冒頭の展開に見舞われた。主文が言い渡された直後に、自称北九州市門司区、配達業を名乗る48歳の男性が法廷内に立ち入ったのだ。

 後に村山哲志容疑者と身元が判明する男は、傍聴席の柵を乗り越えて裁判官の席に向かうと、「こんな判決があってたまるか! 死刑やろうが、何が(懲役)27年だ。生ぬるいこと言ってんじゃねえ! 家族が報われないだろう!」と叫ぶと、ほどなく警備員や裁判所の職員に取り押さえられて現行犯で逮捕される。そして、村山容疑者は15時35分頃に警察車両に乗せられ、旭川地裁を後にする。容疑者は後部座席に乗っていたが、車内は暗く表情は読み取れなかった。

 約45分間の中断を経て法廷が再開されると、旭川地裁は内田被告に求刑通りの懲役27年の判決を言い渡し、注目の裁判は幕を下ろした。

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