遺族も「当然無期懲役刑以上を科せられるべき」と吐露…【旭川女子高生殺害】内田梨瑚被告「懲役27年」に高まる批難 元特捜部副部長は「検察は“性犯罪の厳罰化”を求刑に反映できなかった」
内田被告は控訴するのか?
その一方で、検察の“安全策”は内田被告が判決をどう受け止めるかに影響を与える可能性があるという。具体的には“控訴するか”どうかだ。
「検察は慎重の上に慎重を期して懲役27年を求刑し、求刑通りの判決が下りました。そのため、控訴審で弁護側が減刑を勝ち取るのは相当に難しいと考えます。ここでポイントになるのが受刑期間の問題です。控訴審で懲役27年が26年に減刑されれば、警察の留置場や拘置所にいた『未決勾留期間』は刑期に算入されます。つまり実際の受刑期間は短くなるわけです。ところが控訴棄却の場合はその全てが算入されるわけではありません。1年かけて控訴審を争っても、控訴棄却だと実際の受刑期間が短くなる“メリット”は消えるので、1年を無駄にしたとも言えます。これなら控訴せず、服役したほうが内田被告にとっては得策かもしれません。これを内田被告がどう判断するかでしょう」(同・若狭弁護士)
SNSでは求刑も「甘い」と批判された。今回の判決も同じように「あまりにも軽すぎる」という怒りの投稿が殺到している。若狭弁護士は「こうした批判に法曹界は耳を傾けるべきだと思います」と言う。
「重要なのは2023年に『強制わいせつ罪』が『不同意わいせつ罪』に改正されたことです。かつての強制わいせつ罪は『男性が女性に対し性的欲求を満たす目的で及んだ犯行』と運用が限定されることが多く、それが問題視されたからです」
遺族は法改正を要望
「今回の事件では被害者の服を脱がし、動画を撮影するといった行為により、被害者の尊厳は踏みにじられました。これも紛れもない性暴力であり、こうした性暴力も罰することができるよう不同意わいせつ罪に改正したのです」(同・若狭弁護士)
ところが検察は論告求刑で「類似の事件で無期懲役と判断されたのは性的欲求を満たす目的があった場合であり、被害者に対する『制裁』が目的だった今回の事件では懲役27年が相当である」と法廷で説明した。
「『性犯罪の厳罰化』を国民が求めたからこそ、不同意わいせつ罪に改正したのです。そうした法改正の趣旨を検察は全く求刑に反映させませんでした。検察の見当違いは甚だしいと言わざるを得ません。これは国民の声を無視したに等しく、だからこそ求刑に批判が殺到したのです。この声を法曹界は重く受け止める必要があると考えます」(同・若狭弁護士)
判決公判の終了後、一部の裁判員が報道各社の取材に応じた。ある男性裁判員は「被害者の父親が『娘の望む判決を』と言っていたが、今回差のある内容になり、申し訳ない」と謝罪したという。
さらに遺族はコメントで「特に今回のような殺人罪については、適正な刑を科すため、有期刑の上限を上げる法改正を検討していただくことを要望します」と訴えた。
検察が説明した「27年が相当」は正しかったのか。関連記事【【旭川女子高生殺害】内田梨瑚被告に「なぜ無期懲役を求刑しなかったのか」の声が殺到…元特捜部副部長は「被害者が性暴力によって肉体だけでなく魂まで殺された」と指摘】では、求刑への疑問に迫っている。
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