「上司と寝ちゃった」。妻の告白に嫉妬はない、むしろ感動、惚れ直した…45歳で“0日婚”した男の女性観

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娘の「パパ、浮気してるの?」で気づいたこと

 その後、8歳の娘が「パパ、浮気してるの?」と言ったときは面食らった。さすがに子どもを巻き込むのはよくないと妻に伝えたが、「わかっていて言ってるわけではなくて、テレビで聞いたことをそのまま言っただけ。タイミングが合っただけ」と言われた。

「世間の価値観もわかっていないといけないなと、そのとき改めて思いました。子どもをもつということは、そういうことなのだと」

「上司と寝ちゃった」と告げた妻

 ある日、朋香さんがさりげなく言った。「上司と寝ちゃった」と。そういうこともあるかと納得しながら、だが匡志さんは心が乱れた。

「でも朋香は『恋愛じゃないの。上司の転勤が決まって、1度くらいしてみたかったから自分から迫ってみただけ』って。驚きません? そんなことができるんだと、なんだか朋香を見直したというか、すごいことするなというか。恋愛じゃないからこそ潔いとも言えるなあと。『あなたみたいにコソコソしたくなかったから言うけど。私の体と性を管理しているのは私自身だから。不快だったらごめんね』って、あっけらかんと言ったんですよ。それが彼女の復讐なのかもしれないけど、僕はむしろ感動すらした。そう言ったら『あなたはやっぱり変わり者だわ』と呆れられました」

惚れ直した先に残る不安

 ふたりの関係は、その後も変わっていない。匡志さんが朋香さんのところに泊まることもあるし、男女関係もある。

「不倫というものを朋香がどう思っているかわかりませんが、僕としてはこの先も彼女にそういうことがあっても不思議はないと感じています。嫉妬はないけど、僕自身が彼女に飽きられないようにしないといけないとは思ってる。まあ、彼女が僕よりずっとぶっ飛んだ感覚をもっていることがわかって、よかったような悪かったような……という気持ちはありますが」

 なぜか目覚めたように朋香さんに惚れ直したと匡志さんは言う。一般常識からはかけ離れているが、ふたりにしかわからない「何か」があるのだろう。ただ、朋香さんが本心ではどう思っているのかがなかなか見えてこないと、少し不安そうだった。

 彼は話している最中、1度も「妻が」とは言わなかった。常に朋香さんを名前で呼ぶか「彼女」という言い方をした。そこに彼の女性観が表れているのかもしれない。

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 妻への思いを深めながらも、匡志さんはなお「結婚とは何か」を考え続けている。記事前編では、10歳で父、15歳で母を失った匡志さんが、数々の出会いを経て、結婚観を定められないまま大人になっていく過程を紹介している。

亀山早苗(かめやま・さなえ)
フリーライター。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数。

デイリー新潮編集部

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