高市首相のプレゼントは「いやげもの」か 古市憲寿氏がもらって当惑してしまったプレゼントは
「おっさんもきれいになろう」キャンペーン
かつてイラストレーターのみうらじゅん氏は、もらってうれしくない土産物を「いやげもの」と命名した。お土産に限らず、プレゼントはセンスが問われるとはよく言われるところ。
就任してまだ半年余りの高市早苗首相のプレゼントもまた物議を醸すことが少なくない。
首相を表敬訪問したロックバンド、ディープ・パープルのメンバーに高市首相が渡したのは、自身のサイン入りのドラムスティック。バンドのメンバー側がサイン入りスティックを渡すのならば意図を理解しやすいのだが、なぜか首相側からのプレゼントだったゆえに一部からは疑問の声があがった。
ロック好きを自認する高市首相は5月のオーストラリア訪問時にも、高級メロンと共に音楽絡みのプレゼントを豪首相に渡している。日本の人気バンド「BABYMETAL(ベビーメタル)」や5人組のロックバンド「MAN WITH A MISSION(マン・ウィズ・ア・ミッション)」のレコードである。お気に入りの音楽を贈るという行為は昔から思春期の高校生あたりがやって空回りしがちなものであるが、豪首相の反応までは伝わってきていない。
さすがに配下の国会議員にロック関係のプレゼントをするわけにはいかないのだろう。カタログギフト以外には、自民党国対メンバーに愛用のハンドクリーム、参議院幹部には化粧水を会食時に渡したという。後者については、「おっさんもきれいになろうキャンペーン」だと言い添えたと報じられている。性差別やルッキズムへの目が厳しい中、何とも大胆な振る舞いであると受け止める向きもあることだろう。石破前首相が女性議員に同様のことをしていたらと想像すると恐ろしい。
もともと高市首相はそのパフォーマンス能力から「コミュ力お化け」という高評価を得ている一方で、党内の人間関係構築に苦手意識を持っているとも伝えられてきた。プレゼントのチョイスが時折微妙なのもそのあたりと関係があるのだろうか。
しかし優秀なブレーンを抱えているはずの首相ですらこうなのだから、一般人がプレゼントで悩み、つまずくのは無理もないところだろう。
作家で社会学者の古市憲寿氏は新著『コミュ力不要の社交術』の中で、失敗しないプレゼントの作法について自身の経験も踏まえながら説いている。
高価でなくても喜ばれるモノ、喜ばれるタイミング、迷惑なプレゼント等々。その社交術の一端を見てみよう(以下、『コミュ力不要の社交術』から抜粋・再構成しました)。
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プレゼントは何でもない日に贈ろう
誕生日パーティーなどの場で、ありがたいことにプレゼントをたくさんもらいます。
ただそういう時に困るのは、手紙も名刺も入れてくれない人。せっかくのプレゼントが、誰からのものかわからなくなってしまうんです。
誰かにプレゼントをあげるなら、たった一言でいいので手紙をつけたほうが絶対にいいです。
場合によっては、もらったものよりも、手紙に書かれた言葉を覚えているくらいです。
特にプレゼントをたくさんもらうような立場の人って、何をあげても「これ知っている」みたいなことが多いと思います。だからこそ、メッセージが決定的に大事です。普段のお礼でもいいし、プレゼントしたものにまつわるストーリーや用途でも構いません。
あとプレゼントに関して思うのは、何でもない日にちょっとしたものを贈るほうが印象に残りやすいということ。
偉い人や人気者の場合、誕生日近辺はプレゼントが集中しますよね。「もらって当たり前の日」にもらったものは、相当インパクトがないと記憶に残りません。
だけど、何でもない日にプレゼントをもらったら「何で?」ってなりますよね。
たまたま会った人から、「あなたに合いそうなものを見つけたから」と言ってささやかな贈り物をもらえたら、「普段から自分のことを考えてくれたのかな」と思えて嬉しくなるものです。
そのお土産、本当にいる?

プレゼントの基本は、「自分が渡したいもの」ではなく「相手が欲しそうなもの」を探すことです。プレゼントや手土産も一つの情報なので、「相手が知らないもの」を贈るのもいい方法だと思います。本書では巻末の「Q&A篇」でオススメのプレゼントを挙げておいたので、よかったら参考にしてみてください()
地方の仕事へ行った時にお土産をもらうことがあります。
ある県へ行った時のことです。講演会でした。帰ろうとした時、渡されたのは大きな花束。一般的に、プレゼントとして花束は悪いチョイスではありません。だけど僕は今から、飛行機に乗って東京に帰るんです。
このまま東京まで花束を抱えて移動しろということでしょうか。中島健人くんなら飛行機の中で花束を抱えていてもいいでしょうけど、普通の人には難易度が高い。
この前は、「お荷物ですが」といってお米をもらいました。「本当にお荷物ですね」と返事をしそうになってぐっとこらえました。
いや、お米自体は嬉しいんです。僕は自炊をしませんが、実家や友人にあげたら喜ばれるようなブランド米でした。
だけど僕は今から東京へ帰るところ。何時間もお米を担いでいくのは大変です。
繰り返しますが、花束やお米が悪いわけではありません。お土産を渡す時に大事なのは「相手の事情」を考えることです。
プレゼントの基本は、「自分が渡したいもの」ではなく「相手が欲しそうなもの」を探すことです。
まずはざっくりとでいいので、相手のプロフィールを把握するのがいいですよね。その人は一人暮らしか。家族がいるか。料理をしそうか。何が好きそうか。
たとえば一人暮らしの人が賞味期限の短いお菓子を大量にもらっても困りますよね(ちなみに僕は大量に甘いものを摂取するので大丈夫です)。
プレゼントや手土産も一つの情報なので、「相手が知らないもの」を贈るのもいい方法だと思います。本書では巻末の「Q&A篇」でオススメのプレゼントを挙げておいたので、よかったら参考にしてみてください。
もし遠方の人にお土産を渡す場合、ひとこと「よかったらお送りしましょうか」と聞いてあげると親切だと思います。
「大丈夫です」と言われるかも知れないし、お願いされるかも知れない。配送になった場合、ただ物を送るのではなく、メッセージカードをつけると印象がぐっと変わります。決まり切った文章ではなく、ひとことでいいので直筆にするのがオススメです。
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地方のものでもブランド品でも大抵のものがネットで購入、手配できる時代だからこそ、相手へのちょっとした配慮が求められる。品の選択だけではなく、タイミング、相手の状況、渡す意図の伝達等々。それが「いやげもの」を渡さない秘訣ということだろう。










