実は「誠意のない人ほどモテる」という真実 大人が友達を増やす時に大切な「社交術」のポイントを古市憲寿氏が解説

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 最近、高市早苗首相について「仲間がいない」「会食を嫌う」といった報道が相次いでいる。これを「トップがそんなことでは困る」と感じる人もいるだろうが、「自分もそうだ」「気持ちはわかる」という人も少なからずいるに違いない。

 大人になってから仲間や友達を作るのは難しい。どうしても利害関係が絡みやすいのも一因だろうか。定年後、特に男性が「職場以外に仲間がいない」状況にぶつかって孤立する、といった話もよく聞かれる。

 大人が友達を作りづらい問題をどう考えるか――作家・社会学者の古市憲寿氏は、この問題について、この悩みを抱えるのは「当たり前」だとしたうえで、「誠意を持ちすぎないほうがいい」とアドバイスする。

 人間関係の基本は誠意では? そう感じる方も多いことだろうが、古市氏は「持ちすぎない」ことには意味がある、というのだ。

 一体、どういうことか。
 
 古市氏が自身で編み出した社交のコツを披露した新著『コミュ力不要の社交術』には、納得の理由が書かれている。友達作りが苦手で……という方は耳を傾けてみてはいかがだろうか(前後編記事の前編:以下、『コミュ力不要の社交術』「1 社交篇 仲間の増やし方」より抜粋・再構成しました)

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大人が友達を作りにくいのは当たり前

 大人になってから友達を作るのは難しい。よくそんな悩みを聞きます。

 でも実はこれって、当たり前のことなんです。

 子ども時代を冷静に思い出してみてください。

 学校のクラスとは、言ってみれば「同い年の人間を数十人、狭い教室に朝から晩まで、年単位で監禁するシステム」です。

 この閉鎖空間で数年間を平穏に生き抜くためには、誰かと徒党を組む(=友達になる)のが最も合理的で、楽な生存戦略です。

 つまり、子どもの頃の友達作りは、学校側の用意した人間関係カタログから相手を選ぶ「配給制」だったわけです。そこでは、与えられた環境に順応する能力さえあれば、自然と友達はできました。

 しかし、大人の世界は違います。

 人間関係は完全に流動的で、「みんな仲良くしましょう」と音頭を取る担任教師はいません。仕事と家の往復をしているだけでは、新たな出会いはゼロ。

 大人の友達作りは、自ら街に出て、趣味の場に顔を出し、気の合いそうな人を見つけて声をかける「自由市場」なのです。

 つまり子どもが友達を作るのと、大人が友達を作るのでは、必要とされるスキルもルール自体も、全てが異なります。「配給」がなくなった大人が、自分から旅に出ない限り、友達ができないのは当然のことです。

誠意のない人ほどモテる

 全ての人間関係の基本は「相手の立場になって考える」ということだと思います。

 友情だろうが、恋愛だろうが、国家間の外交交渉でさえも同じです。

 自分が向き合っている人は何がしたいのか。何を欲しがっているのか。何をされると嬉しくて、何をされるのが嫌なのか。

 だけど他人の気持ちは、本当の意味ではわかりません。よかれと思ったことが相手にとっては嫌なこともあります。

 ではどうしたらいいのか。

 意外と思われるかも知れませんが、僕の見つけた一つの発見を共有させてください。

「人間関係は、誠意を持ちすぎないほうがうまくいく」

 恐らく多くの人が逆だと感じるでしょう。誠意を尽くして、他人と向き合うことが人付き合いの基本だ、と。

 だけど実は、誠意とはやっかいなものです。

「こんな誘いをしたら迷惑じゃないかな」とか「何度も誘ったら嫌われちゃうんじゃないかな」という誠意が邪魔して、他人に連絡を取れない人が多いと思います。

 でも「相手が嫌だったらどうしよう」といった考え方は、一見相手のことを考えているようでいて、実は自分が嫌われたくないだけ、という場合があります。自分が傷つきたくないだけなのに、「誠意」を持っているふりをして、消極的になってしまうのはもったいないと思います。

 本当は相手が自分を嫌っているかなんてわかりません。

 だから仲良くなりたいと思った相手には、勇気を出して自分から声をかけてみる。誠意の鎧を脱いでみる、というのが人付き合いの第一歩だと思います。

友達が多い人の共通点

 友達が多い人には共通点があることに気が付きました。

 それは「自分から誘う人」だということです。

 よく食事に誘ってくれる友人がいます。予定が合わずに断ってしまうことも多いのですが、彼は「気にしないで。僕からの誘いはメルマガだと思ってくれていいから」と言っていました。

「メルマガ」なんだから返事は適当でいいし、何なら無視してもいい。こう言ってくれると、断ることを重荷に感じなくて済みますよね。

 ここには人付き合いの一つの極意がある気がします。

 独断ですが、人から誘われて嫌な気になる人はほとんどいません。たとえ結果的に断るとしても、他人の好意を無下に断れる人はあまりいません。

 生理的に無理という場合もありますが、それって確率的には少ないんですよね。

「これはさすがに行けないよなあ」という誘いでも、誘ってくれたこと自体には感謝の気持ちが生まれがちです。

 とはいえ、自分から誘うことにハードルを感じる人も多いと思います。「断られたらどうしよう」「嫌がられたらどうしよう」「忙しい相手を困らせてしまうかも」といった不安はよくわかります。

 そう思った時は、こう考えるようにしています。「自分はみんなから誘われるのを待つような人気者なのか」と。

 よほどのスターや実力者なら、「誘われるのを待つ」という姿勢でかまいません。でもスターじゃないなら、勇気を出して、自分から誘ってみて損はないと思います。

 ちなみに僕の経験上、本当のスターは結構、人を誘ってくれます。

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 真面目な人、繊細な人ほど「誠意」を示そうとしがちだが、勇気をもってハードルを越えてみては、というのが古市氏のアドバイスだ。もっとも、さらにその先をどうしたらいいのか、という悩みが必ず次には生じる。
 
 古市氏は次のステップで気に留めておけばいいのは「会う回数」だという。会う回数が多いほうが親しくなりやすいのは当然として、何回を目安にするといいか。

 さらなる「社交術」のヒントについては後編(【「他人と仲良くなる」「お店の常連になる」ために頭に入れておきたい最適の「回数」は? 古市憲寿氏が教える「コミュ力不要の社交術」】)で。

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