「スランプになった夏目漱石」が、人気作家に返り咲くために使った「禁じ手」とは?【教科書には載らない文学史】

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 近代日本が誇る文豪・夏目漱石(1867~1916年)。イギリスに留学し、東京帝国大学の講師も務めたインテリ作家の漱石は、当時の日本で流行していた厭世・煩悶・虚無などの人間の暗部をあるがままに描く自然主義文学に対して批判的な立場を取っていた。

 しかし、帝大講師の職をなげうって執筆した勝負作『虞美人草』が不評と見るや、漱石は一転して、それまで批判していた自然主義文学の手法を取り入れ、評価を回復したという。

 この漱石が使った「禁じ手」は、その後の文学史では忘却されてきたが、文学研究者の木村洋・上智大学教授が、新刊『「蒲団」の時代:自然主義とは何だったのか』(新潮選書)の中で、あらためて指摘している。...

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