「酒もタバコもやらないのに…」 心筋梗塞になった血管外科医が明かす「油断」 「毎日のように肉や甘い物を」
毎日のように肉や甘い物
退院後、私は生活習慣を大きく変えた。担当医からLDLを低い値で保つよう指導を受けたためだ。正常値は119以下とされているが、ステントを留置しているため50以下という数値を保っている。飲み薬だけではその値まで下がらなかったため、現在は月に1~2回、LDLを下げる注射薬を自分でお腹に打っている。一般の方も使えるタイプで、手技は比較的簡単だ。
また食生活も大幅に見直した。魚介類が豊富な宮城県の石巻で育ちながら、気が付けば毎日のように肉や甘い物を欲するようになっていた。LDLを含むコレステロールは、卵の黄身を使ったものに多く含まれる。シュークリームやカステラといった甘いものには卵がたっぷり使われている。甘い物に目がなかったが、それらを極力減らし、魚や脂身の少ない肉を多めに食べるよう心がけている。運動面では、なるべく歩く生活へとシフトした。発症から数カ月後には、週末のゴルフも再開することができた。
言葉に込める熱量に変化が
心筋梗塞は再発することもある疾患だ。そのため1年に1回、心臓の血管造影検査を受けている他、3カ月に1度、心電図と血液検査も行っている。心臓には冠動脈から枝分かれした無数の細い血管がある。気を抜くと、今回の場所とは別の場所が詰まりかねないため、常に細心の注意を払っている。
心筋梗塞になる前も、クリニックを訪れる患者さんには運動を勧めてきた。しかし、自らの心筋梗塞を経て、その言葉に込める熱量が変わった。自身の経験を直接話すことはほぼないが、来院のたびに「ウォーキングはやっていますか」と、以前よりも確認するようになった。
膝が痛くて歩けない方には、プールでのウォーキングを勧めるようにしている。水中では浮力があるため関節への負担が少なく、高齢の方でも続けやすい。ただし、気を付けなければならないのは、過剰な運動もまたよくない点だ。例えば、ウォーキングでいえば、心拍数を110くらいにキープしながら、歩幅を普段より広くして歩く中程度の運動が重要だ。「中程度」の運動とは、息は少し上がるが、会話ができるくらいの強度を意味する。
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