「持ち家、賃貸論争は不毛」 高齢で「住まい難民」にならないための四つのポイント

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狙い目のUR

 第一に、身もふたもない言い方になってしまいますが、やはりある程度の資産を準備しておくことが大切です。家主側にとっては、家賃の取りっぱぐれを避けたいわけですから、資産があるのに越したことはありません。

 ちなみに、頼れる親族が身近にいない高齢者にとってUR(独立行政法人都市再生機構)の物件は一つの狙い目で、保証人がいなくても、月額家賃を1年分前払いしたり、100カ月分の貯蓄があったりすれば入居可能です。

 第二に、死後事務委任契約の利用です。ごく簡単に言うと、自分が亡くなった後の手続きを生前に第三者(代理人)に委託しておく制度で、多くの場合、代理人は家族や司法書士、弁護士などになります。その代理人に賃貸借契約の解約や、死後の残置物の整理をお願いしておけば、家主側が高齢者に物件を貸す際の大きな不安が解消されます。

リスクを家主側に抱えさせないために

 第三に、任意後見契約です。これも簡単に言うと、認知症などになって入居者の判断能力が衰えた場合、事前の意思確認に基づき本人に代わって、さまざまな手続きをしてくれる第三者を選定しておく制度です。

 高齢入居者が認知症になってしまい、何らかの施設に入ってもらった方がいいと思われるのに、もはや本人の意思を確認することは難しい。そうこうしているうちに、認知症の症状が進み、幻覚症状を訴え始め、周りの入居者が迷惑して家主側は困り果ててしまう――例えばこのようなリスクを家主側に抱えさせないために、任意後見契約は有効です。

 そして第四に、見守りサービスの利用です。目下、定期的な巡回だけではなく、センサーやカメラを活用して入居者の異変を察知するサービスに官民が取り組んでいます。こういった見守りサービスを利用することで、家主側が最も恐れる事態の一つである「孤独死→遺体放置→腐敗が進み特殊清掃→事故物件化」というリスクを回避することが可能になります。

 以上四つのポイントを押さえておくことが、門前払いされがちな高齢者でも、ついのすみか選びに困らずに済む大きな助けとなるはずです。

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