なぜ「愛子天皇論」を認めてはいけないのか 「“直系優先で皇位を継承すべし”という感情論で動けば、将来に必ず禍根を残す」

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ご成長を静かに見守る

――天皇になられる方は、その直系子孫で、長年にわたって陛下のお心や立ち居振る舞いを身近でご覧になり、学んでこられた方こそふさわしい、また、直系子孫の皇位継承を優先するほうが国民感情からして自然ではないか、との指摘もあります。

 感情としては理解できますが、そのことだけでもって、現皇室の正統性の根幹であり、不文のものも含めた「憲法」で定められた男系による継承を揺るがせてはならないと思います。移ろいやすい感情論で動けば、将来に必ず禍根を残し、後々、皇室の正統性に揺らぎが生じてしまう可能性も出てくるでしょう。

 いわゆる「帝王学」について、上皇陛下は皇太子時代の昭和59年12月のご会見で、「皇族は陛下の御心を大切にし、また、国民の望みに沿ってつとめを果たしていくことが大切であり、それを誠実に行っていくことが帝王学になると思っています」と述べられております。

 戦前のように「御学問所」など特別なご教育機関のない今日、悠仁親王殿下には歴代天皇のご事績に学ばれると共に、上皇陛下や今上陛下との直接の触れ合いを大切にしていただきたいと思います。

 なお、元毎日新聞の宮内庁担当記者・江森敬治氏が記した「悠仁さま10歳 秋篠宮家の子育て」(『文藝春秋』平成28年10月号)には、「秋篠宮さまと紀子さまは、悠仁さまや眞子さま、佳子さまが祖父母である天皇、皇后両陛下と会って、触れ合う時間をとても大切に考えている」とあります。
 
 愛子様は大学を卒業され、日本赤十字社にご勤務になり、ご公務も立派にこなしておられます。一方で、悠仁様はまだ大学生でいらっしゃいますから、国民の目に届くところにおられることは少ない。しかし、これから成長され、公務に積極的に取り組まれる中で、その機会はどんどん増えていくと思います。最近では成年式での凛々しいお姿には、国民がみな驚かされました。「『愛子天皇論』を吹き飛ばした、爽やかな悠仁親王の成年式」などという趣旨の記事さえ出ました。いずれ、国民の敬愛の度合いは増していくことと思われます。今、国民に必要なのは、徒(いたずら)に制度を乱すことではなく、悠仁様のご成長を静かに見守ることではないでしょうか。

※執筆に当たっては、百地名誉教授の著書『皇位継承問題Q&A 男系の皇統護持のために』を参考にしました。

前編】では、女系天皇の問題点について詳述している。

デイリー新潮編集部

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