阿部巨人「その場しのぎ野球」はもういい、「光が見える野球」を目指せ 試合後のコメントを「これはない」と思った理由【柴田勲のコラム】

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キャベッジの打率を上げるには

 選手起用は1シーズンを通して考える必要がある。1人1人の打力や特性を見極めて見合ったポジションを与える。

 巨人のように毎試合コロコロ打順が替わっては選手も戸惑う。それも起用する基準が直近の試合の出来だ。選手起用に一貫性がない。

 その選手たちに目を向けると心配なのがトレイ・キャベッジだ。外に逃げるいわゆる、クソボールを追いかけるクセがある。打率が上がらない。

 これは増田陸や佐々木にも言えるが、ゾーンを狭めてベルト周辺に1ストライク2ストライクのボールが来たら、思い切って振ることだ。
 先発陣を見渡すと一番勝てそうなのが井上温大、続くのがフォレスト・ウィットリーか。四球増が気になるが。

 田中将大、則本昂大もよくやってはいるが彼らは点を取られる。味方打線が点を取ってやらなきゃいけない。

阿部監督も苦しいのだろうが

 ガッカリしたのが戸郷翔征だ。なんのためにファームに行ったのか。4日のヤクルト戦は復帰戦となったが、フォークは思うように落ちないし、球がベルト周辺に集まっていた。

 もともと手投げのタイプで下半身をあまり使わない。ここが赤星優志や山崎伊織と違うところだ。スピードやフォークの落ち具合は関係ない。もっと下半身を使ってアウトコース低めの球を磨く。

 肩やヒジを故障していない。精神的なものではないか。3年連続で12勝した投手だ。聞く耳を持たず、1人で悩んでいるのかもしれない。だが投球の基本は外角低めの制球力だ。これがあってフォークが生きる。早く本来の姿が見たい。

 山崎の復帰もどうなるか未定だ。大勢、ライデル・マルティネスの調子もよくない。

 勝てると思った試合は貪欲に勝ちにいくべきだ。阿部監督も苦しいのだろうが、いまは「その場しのぎ野球」と映ってしまう。

 先が見える。光が見える。そんな野球を期待している。

(記録などは11日現在)

柴田 勲(しばた・いさお)
1944年2月8日生まれ。神奈川県・横浜市出身。法政二高時代はエースで5番。60年夏、61年センバツで甲子園連覇を達成し、62年に巨人に投手で入団。外野手転向後は甘いマスクと赤い手袋をトレードマークに俊足堅守の日本人初スイッチヒッターとして巨人のV9を支えた。主に1番を任され、盗塁王6回、通算579盗塁はNPB歴代3位でセ・リーグ記録。80年の巨人在籍中に2000本安打を達成した。入団当初の背番号は「12」だったが、70年から「7」に変更、王貞治の「1」、長嶋茂雄の「3」とともに野球ファン憧れの番号となった。現在、日本プロ野球名球会理事を務める。

デイリー新潮編集部

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