道路が危険だから“ステイホーム”が必要か 日本全国の道路は、どれだけ陥没してもおかしくない

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 2020年春から新型コロナウイルス感染症が流行すると、不要不急の外出を自粛するように繰り返し呼びかけられた。緊急事態宣言が発出されている期間中はもちろんのこと、そうでない時期も、観光やレジャー、会食などは当然として、友人と会うのも、帰省も、極力避けるべきものとされた。いったいどれだけ「ステイホーム」と叫ばれたことだろうか。それもこれも命を守るためだとされた。

 だが、私たちの命を危険にさらすリスクがあるのは、コロナウイルスだけではない。リスクをみな排除しなければならないなら、いまも「ステイホーム」を続けなければならないはずだ。歩行中、あるいは自動車やバイク、自転車などに乗車中に、いつ道路が陥没して事故に巻き込まれるかわからないから、である。

 道路の陥没といえば、2025年1月28日に埼玉県八潮市で起きた事故が記憶にあたらしい。幹線道路である県道の交差点に突然穴が開き、左折して入ってきた2トントラックが落下。その後、穴はどんどん拡大し、消防や救急が到着したとき、縦9メートル、横10~11メートルに広がり、トラックはほとんど土砂に埋まっていた。その後、穴は幅40メートル、深さ15メートルにまで拡大し、運転手は助からなかった。

 被害は周辺にも広がり、現場から半径200メートルの範囲にある全世帯に避難指示が出され、現場から下流の12市町には下水道使用の自粛が求められ、結局、復旧や補償費用を合わせて、総額300億円以上を要する見込みだという。

 この八潮市の事故は、決して例外的なものとはいえない。現在、日本では規模に大小あっても、年間1万件前後、1日平均で約30件も道路の陥没事故が発生している。それはすなわち、日本中の道路がすでに危険な状態にあるということだ。そろそろリスクを回避するために、「ステイホーム」を呼びかけてもいいのではないだろうか。少なくとも、放置していい状況ではない。

増え続ける危険な下水道管

 一例を挙げれば、今年1月9日、新潟市東区の市道のT字交差点で中央付近が突然崩落し、直径5メートル、深さ3.5メートルの穴が出現。通りかかった大型トラックの後輪がそこにはまり、男性運転手が腰を打撲するケガを負った。人命にこそ関わらなかったが、それは偶然にすぎない。

 国土交通省によると、2022年度末の時点で、全国の下水道管の総延長は約49万キロメートルに達するという。このうち、50年と定められている法定耐用年数を超えたものは、総延長の7%にあたる約3万キロメートルだが、それはあくまでもすでに「超えたもの」であり、これから超えるものが目白押しなのだ。10年後には19%にあたる約9万キロメートルが、20年後には40%にあたる約20万キロメートルが、法定耐用年数を超えるという。それに、八潮市の事故の原因になった下水道管は、42年前に敷設されたものだったことを考えれば、危険な下水道管の比率はもっと高い。

 太平洋戦争の空襲で焦土と化した日本は、高度経済成長期に下水道管をはじめとするインフラ整備を一気に行った。その分、一気に老朽化する宿命にある。

 それなのに、読売新聞が昨年12月から今年2月にかけて行ったという自治体アンケートで、怖ろしい事実が判明した。道路の下に空洞ができているかどうかを調べる「路面下空洞調査」を、道路を所有する都道府県や市区町村の7割超が実施していなかったというのである。

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