宮内庁OBが「一度は泊まってみたい」と口を揃える高級料理旅館とは? リニューアルしてホテルとなった「旧皇族邸」
箱根十七湯
「温泉のデパート」として人気のある箱根は、小涌谷や仙石原、宮ノ下、芦之湯、塔之沢、箱根湯本など、「箱根十七湯」と呼ばれる温泉地の集合体で、20種類近くの泉質と効能でファンが多い。この十七湯のうち、強羅は天然弱アルカリ温泉などが特徴だ。強羅花壇の大浴場では「心身共にリフレッシュしました」などと、ネットの口コミにある。参考までにGoogleマップでは「五つ星」のホテルとなっている。
閑院宮家は伏見宮家、有栖川宮家、桂宮家と並ぶ、江戸時代にあった四親王家の一つ。四親王家は世襲親王家とも呼ばれ、天皇家の直系に皇位継承の有資格者がいない危機的状況になった際の、セーフティネットとして位置づけられた重要な存在だった。しかも、閑院宮家は唯一、実際に天皇を輩出している。同家出身の光格天皇は天皇陛下の直系の先祖で、上皇陛下が200年ぶりに生前退位を実現させるまでは最後の上皇でもあった。
1930年、強羅花壇の建物を避暑や迎賓を目的に建設した閑院宮載仁親王は、第二次世界大戦が始まる前までは旧日本陸軍のトップ(参謀総長)を務めた。終戦直前に亡くなり、家督は長男の春仁王が継承。戦後は皇籍を離脱し閑院春仁氏となり、1948年に別荘をホテルとして開業させた。
箱根の美しい山河の中にたたずむ強羅花壇のシンボルとなっている大列柱廊は、自然と向き合うために内外の境界線を無くして野山と一体になれる心地良い空間。併設レストランの「花壇」は1991年、世界的に有名なホテルレストラン・グループ「ルレ・エ・シャトー」に加盟している。
また、千葉県銚子市犬吠埼の「別邸 海と森」は旧伏見宮別邸の瑞鶴荘をリフォームしたもの。伏見宮貞愛親王が、1898(明治31)年に建てた別荘の地にある。2010年の開業で全室オーシャンビューの露天風呂からは、関東平野最東端ならではの日の出と、幻想的な夜の月や星、そして灯台の織り成す風景を楽しめるとしてリピーターも多いようだ。
Googleマップでは「四つ星」だが、「太平洋と犬吠埼を一望出来る圧巻の景観は見事です」といった独特の景観の感想に加え、「朝食夕食もとても美味しくいただきました」など、サバやサンマ、マグロの水揚げで知られる銚子漁港が地元ならではの口コミが目立つ。伏見宮貞愛親王は日清戦争、日露戦争の両方に参加したことでも知られる。14人目の息子だったにもかかわらず宮家を継ぐことになったのは、正妻(正室)の子供だったからという。
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