「変なおっさんが家に来て…」京都小6遺棄事件で浮かぶ“子連れ再婚”のむずかしさ 専門家が唸った成功例「シンママ母に息子が出した条件」とは
理想的なステップは…
どうすればよかったのだろうか。
「“母の知り合い”として外で会うのを繰り返し、そのときの子どもの反応を見ながら、頻度を上げる……当然に思えるかもしれませんが、同居は“子どもが安心してから”が鉄則です」
岡野氏はこんな「成功例」を見聞きしている。
「これも小4男子をもつシンママに聞いた話ですが、母親の彼氏がとても子ども好きだったので、息子とはすぐ仲良くなった。ただ息子はとっても冷静で、母親に“彼と春・夏・秋・冬いっしょに過ごしてみて、よかったら結婚して”と言ったそうなんです。恋愛モードで即結婚に走りがちな母親に、1年間、彼氏の人柄を見ろと言ったんですね。結果、円滑な家庭を築けたといいます。できる息子だなと驚きました。母親のことは心配だし、その幸せを願わない子はいない。同居や結婚に踏み切るなら、そんな子どものため最低でも1年くらい時間をかけてほしいものです」
また、結婚・同居後に「急に父親になろうとしない」ことも重要だ。
「義父がやりがちですが、しつけをしようと自分のルールを押し付けてはダメ。家族だから、と急に距離を詰めると、子どもは“知らない大人に支配される恐怖”を感じる。信頼関係は、指導ではなく積み重ねで生まれます。まずは信頼される大人になりましょう。特に気をつけたいのは、“正しさ”を押しつける言葉です。例えば、“言うことを聞きなさい”“もう家族なんだから”“慣れるしかない”などですね」
こうした言葉は、子どもにとっては気持ちを否定される体験になりやすい。一方で大切なのは、「無理しなくていいよ」「今のままで大丈夫」「話したくなったら聞くよ」といった、関係を急がない言葉だそうだ。
実母、義父がかけるべき言葉
そして、パートナーと子どもの間に立つ「実親」の立ち位置が何より重要であると岡野氏は説く。
「子どもの不安や違和感をきちんと受け止めて、無理に関係を進めないこと、子どもが安心できる居場所を守ることが大事です。例えば母親が『新しいパパと仲良くして』といったパートナー優先の声掛けをすると、子どもが心を閉じてしまいます。そうではなく、『嫌だったらちゃんと言ってね』『ママはずっと味方だよ』など、優先順位が子どもにあることを伝えて安心感を与え、きちんと寄り添う気持ちを忘れずにいましょう」
時間をかけて
さきほどの例に見るように、うまくいっている家庭には共通して「時間をかけている」特徴がある、と岡野氏。
「最初は会話がなくても、半年、1年と積み重ねる中で、少しずつ信頼が生まれるもの。逆に、最初に無理をさせたケースほど、その後の修復に時間がかかる傾向があります。同居のタイミングを慎重にすること、関係づくりを段階的に行うこと、子どもの心の変化を見逃さないことを忘れないでください。子どもは環境に適応する力を持っていますが、それは“納得している”ということとは違う。だからこそ大人は、関係を急がず、子どものペースを尊重する姿勢が求められます」
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