「最近は“ボンドロシール”もタイミング次第で買えます」 意外にも雑貨店が「シールブーム」の終焉を“歓迎”する理由

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 数か月前には、定価の10倍以上で取り引きされることもあった“シール”。都内の雑貨店には早朝から買い求める人が行列を作り、子供に交じって大人までもがシールの争奪戦を展開していた。ところが、いよいよそのブームにも陰りが見えてきたようだ。【取材・文=山内貴範】

シールが店頭に並んでいる

 シールブームが過熱しはじめたのは昨年の夏頃とされ、いわゆる平成レトロや女児向け玩具ブームの一環で起こったものだった。フリマサイトではシールの転売が相次ぎ、雑貨店の店頭には行列ができ、店員に向かって怒号が飛び交う事態にまで発展した。それは、かつてのポケモンカードのブームを思わせるものだった。

 ブームは今年に入っても衰えず、「マスコミが報道を始める頃にはブームは終わっている」というジンクスもはずれ、思いのほか長く続いてきた。ところが、最近になって異変が生じ始めたという。「シールが店に並んでいる」「大量に入荷している」「あんなに入手困難だったのに、何があった」などのコメントが、SNSに相次いで投稿されているのだ。

 実際、都内の雑貨店に足を運ぶと、店頭には当たり前のようにシールが並んでいた。100円ショップやスーパーマーケットでも目につくようになった。ほんの数か月前は、店頭には「入荷未定」の貼り紙が掲示され、店員に在庫を聞いても教えてもらえなかった。そうした光景に慣れていた身からすれば、ずらっとシールが並んでいる様子は圧巻である。

 どんなシールでも手に入りにくかったことを考えると隔世の感があるが、少なくとも、レア物の“代用品”として購入されていたシールに関しては、普通に店頭で買えるようになったのは間違いないだろう。シールの在庫が潤沢になり、大人まで巻き込んだ投機的な熱は薄れ始めているようだ。

人気のシールは依然品薄だが

 ただし、ブームの火付け役になった「ボンボンドロップシール」や、ちいかわ、サンリオなどの人気キャラクターがプリントされたシールなど、いわゆる特別なシールは依然として簡単には入手できない。4月に入っても、「ちいかわのボンボンドロップシールを買うために2時間並んだ」などの報告が、SNSに投稿されている。

 とはいえ、都内の雑貨店の店員によると、「ボンボンドロップシールはタイミング次第で買えますよ。入荷したら店頭に並べます」とのことである。置いたらすぐになくなってしまうのは相変わらずのようだが、以前のような行列はできなくなったらしい。少なくとも、「殺伐とした空気感は消え、買いやすくなったのは間違いありません」と話す。

「数か月前は、転売屋やネットで募集をかけたバイトが開店前から並んでいる有様でしたが、今はそんなことはありません。買い求めに来るのは親子連れや、お小遣いを持ってやってきた子供たち、あとは近隣の企業で仕事をしている女性が多いと思います。メーカーも増産を発表していますし、入荷状況は、ブームの真っ只中の頃よりは改善していますよ」

 雑貨店の店員がこう話すように、在庫状況は改善されつつあり、本当に欲しい人がいつでも購入できるようになる日はもうすぐやってくると思われる。品薄が続いていた地方でも購入報告が相次いでおり、子供のために親が朝からシール探しに走り回る光景も、年内には過去のものになりそうである。

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