浮気がバレて妻が出て行った…息子たちの世話はどうする? 「それなら私が」 “不倫デリバリー” が招いた41歳夫の修羅場

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妻をこんなふうにしてしまったのは僕

 彼女と別れればすむわけじゃないのよと真未さんは言った。じゃあ、どうすればいいと言うと「どうして開き直るの」と怒られる。謝っても謝っても、「謝ってすむなら警察はいらないわよね」と言われる。謝らなければ、悪いと思ってないでしょうと怒鳴られる。

 そんな日々が何日も続いた。麻香さんからは連絡はない。だが彼には、麻香さんとの縁が切れるとは思えなかった。

「今年の正月、妻に年も改まったし、もう一度チャンスをくれないかと懇願しました。私は一生、許さないし、なかったことにはしないと言われました。理屈で考えよう、きみは離婚する気はないと言った。僕も離婚はしたくない。だけどもし、きみが僕ともう2度と普通に会話もしたくないというなら、それはむしろ子どもたちにとって悪影響がある。だったら別居するほうがいいのではないかと言ったんです。すると妻は『私と別居して、あの女と一緒に住むんでしょ。それはダメ』と。妻をこんなふうにしてしまったのは僕なんですよね。あんな純粋な人だったのに。いや、純粋だからこそ許せないのかもしれないけど」

それでも関係は続く…

 とにかく妻とは「うまく」やっていければいいと悠樹さんは気持ちの方向を転換した。仲よくやらなくてもいい。妻は渋々ながら「日常生活は普通に送る」と約束した。

「2月くらいだったか、ものすごく寒い日の残業帰りに、行ってもいいかなと麻香にメッセージを送ったんです。いいよ、と彼女から返事が来た。彼女、なにごともなかったのように迎えてくれました。おいしいコーヒーを入れてくれた。料理、うまいねと言ったら、彼女もさすがにあの件に触れないといけないと思ったのか、『私が差し出がましいことをしたから……』って。いや、すべて僕が悪い。申し訳ないと言うしかなかった。だけど不思議なことに、僕らには“別れる”という選択肢がないんですよ。ふたりともそんなことは思っていない。そしてそれが当然だと思ってる。そういう意味で僕と麻香はおかしいのかもしれないけど」

 どうにも説明しづらいが、それが本心だと悠樹さんは言った。会う頻度が減るかもしれないが、決して別れないふたりなのだと。そこまで思える相手と巡り会った悠樹さんと麻香さんが「幸せ」かどうかはわからない。もしかしたら、世間から見た「幸せ」は、ふたりの中では価値が高くないのかもしれない。

 あとは家庭の問題だが、このところ少しずつ真未さんの表情が柔らかくなってきたような気がすると悠樹さんは言う。家では心安まる時間がないけど、それもこれも自分が蒔いた種ですからねと、彼は眉間にしわを寄せながらため息をついた。

 ***

 ほころびを抱えたまま、妻との家庭生活を続けている悠樹さん。だが、もし麻香さんとの関係がいまも途切れていないことを知ったら、“純粋な妻” 真未さんはどんな行動に出るだろうか――。【記事前編】では、真未さん、麻香さん2人とのなれそめを紹介している。

亀山早苗(かめやま・さなえ)
フリーライター。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数。

デイリー新潮編集部

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