「シニア向けスマホはダメ」 家電マニア・勝間和代が教える、高齢者が取り入れるべきデジタル技術、家電とは
シニアほど使ってほしい生成AI
以前は、入力にタイムラグがあったり、うまく聞き取ってくれなかったりしましたが、最近の音声入力の精度の向上ぶりは目を見張るものがあります。家族にLINEを送るときでも、音声入力モードにしてスマホに話しかけるだけで、驚くべき精度で内容を文字にしてくれます。
さらにシニア世代にこそ使い倒してほしいのが、生成AIです。AIが何か分からなくても「ChatGPT」なら聞いたことがある人もいるでしょう。
私は、Google社のサービスを多用しているので、同社の「Gemini」を愛用していますが、スマホに向かって「〇〇について教えて」と話しかけるだけで、瞬時に答えが返ってきます。例えば、週末京都に旅行に行くとしましょう。「今の時期の京都の名所を巡るプランを教えて」と話しかければ、即座にお薦めのプランが提案されます。もう少し踏み込んで、スマホを“執事”として活用するなら、「足腰に負担をかけず、休憩多めで京都を回りたい」「人混みを避けて穴場をゆっくり巡りたい」などの要望に添ったスケジュールを組んでくれます。地図アプリと連携してルートを示してくれたり、時刻表に合わせた電車やバスの乗り換え案内などもお手の物です。
AIは最強のコーチ
趣味のゴルフのアドバイスが欲しければ、自分のスイングをスマホで動画に撮ってアップロードするだけです。「バックスイングで体が開いている」「インパクト時の重心が後ろに残っている」。世界中のコーチの知恵を統合したAIから、実際の映像の分析に基づいた助言が返ってきます。人間相手だと、何度も同じことを聞くと嫌がられたり、指摘を受けた側も感情的になったりしますが、AIは文句も言わず、何度でも、こちらの気が済むまで付き合ってくれます。絵を描くのが趣味なら絵のアドバイスをもらえますし、他にも楽器の弾き方、花の育て方……AIは最強の“自分専用コーチ”にもなります。
写真を趣味にされている方は、よりダイレクトにスマホとAIの恩恵を感じられるのではないでしょうか。これまでは、高性能のカメラほど重くて大きいというのが相場でしたが、最新のスマホ、特にGooglePixelやiPhoneのカメラ機能は、一昔前の一眼レフに迫る画質を誇り、もはや単なるカメラといえないほど多機能です。例えば、暗い場所での撮影でも、AIが手ぶれを補正してくれたり、明るさを自動調整してくれたりします。観光地で集合写真を撮る際、後ろに関係ない人が写り込んでしまっても、「消しゴムマジック」のような機能を使えば、一瞬で不要な通行人だけを消すことができます。構図も明るさも、全部AIが判断して「奇跡の一枚」に仕上げてくれる。思い出を写真に残したいという気持ちは、スマホを積極利用し、AIの効果を感じるきっかけになるはずです。
一昔前なら、パソコンがなければできなかったことがスマホさえあればできるようになっています。今から20万円のパソコンを買うくらいなら、そのお金で最高級のスマートフォンを買ってください。画面が小さくて見づらいというなら、ケーブル一本、あるいは無線で大画面のディスプレイにつなぐ方法もあります。私は仕事の調べものも、執筆活動ですらほぼスマホの音声入力で行っています。Geminiは私専用の優秀なリサーチャーであり、秘書であり、コーチであり、公私共になくてはならない存在になりました。
パソコン教室でマウスの「ダブルクリック」から習う時間とお金があるなら、スマホの使い方を孫に習う方が、よほど現代的で生産的でしょう。
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