妻への贈り物を買いに行ったら“店員と客”以上の関係に…「これは運命だ」49歳夫が舞い上がった細かすぎる共通点

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スカーフを買いにデパートへ…

 娘が5歳の誕生日を迎える年の春だった。娘の誕生日に、彼は毎年、妻にもプレゼントを贈っていた。かわいい娘を産んでくれた妻への感謝の気持ちを表すためだ。その年は、妻がスカーフをほしがっていたのを思い出してデパートへ行った。

「そのとき接客してくれた女性がとても感じのいい人だったんです。妻の写真を見せつつ、こんなイメージでと言ったら、いかにも妻の好きそうなものを選んでくれた。かわいい感じではなく、シャープでかっこいい感じの柄で」

 単なる接客の上手な女性。それだけのはずだった。だがその週末、正貴さんの勤務先が開催したイベントで、その女性、瑠美さんと再会したのだ。あら、この前はどうもと話しかけられて、正貴さんは思わず二度見した。接客しているときより、ずっとフレンドリーな笑みを浮かべている瑠美さんに魅了されたからだ。

「瑠美は小さな子を連れていました。『姪っ子なんです。かわいいでしょ、叔母バカで』と笑う彼女に、なんだか脳が妙な反応を起こしていた。この人だ、この人なんだという妙な思いで体の奥から、何か指令が出ているような感じ。僕は思わず、『このあと、時間ありませんか』と尋ねていました。彼女は姉と待ち合わせして姪っ子を引き渡せば、あとは暇ですと。じゃあ1時間後に会場の外でと約束しました。僕はその日、イベントに最後までいなくてもよかったので、1時間後に仕事を抜け出したんです」

 瑠美さんとは連絡先も交換していなかったから、何か行き違いがあれば会えないかもしれない。だが、正貴さんはまったく疑わなかった。「僕と彼女は運命だ」と思い込んだ。

「何がそこまで僕を思い込ませたのかわかりません。ただ、あのときの体の奥から彼女を求める強い気持ちに押される感覚は忘れられなかった」

「結婚されてるんですよね」

 瑠美さんと無事に会え、そのまま近くのカフェに行った。お互いの仕事や趣味の話が尽きなかった。それでも瑠美さんに「結婚されてるんですよね」と言われて言葉に詰まった。結婚していないとは言えない。だが既婚だといえば彼女は気持ちが引くだろう。あなたが好きだと言えば軽いヤツに見られるに決まっている。

「僕はあなたと話せてうれしかった。心から楽しいと思える時間だった。また会えないでしょうかと真摯に尋ねました。彼女は曖昧に頷いていましたね。連絡先を聞き出してつながり、それからは1日1回はメッセージのやりとりを重ねました」

 あなたが好きだ。そうした肝心なことは言えない。それでも彼女への興味は尽きず、あれこれと聞き出した。彼女は当時、スカーフや小物の売り場に立っていたものの、本来はデザインの勉強をしてきていて、いつかは自分でデザインしたスカーフを作りたいと夢を話してもくれた。

「1週間ほどたって、どうしても彼女に会いたくて、正直に伝えました。会いたいと。彼女は躊躇しつつも会ってくれた。その日、僕は勝負を賭けるつもりでした。『あなたを深く知りたい。どうしてもひとつになりたい』と。言葉で語り合い、体で話して、やっぱりこの人だと思ったら離婚も辞さない。そんな気持ちだったんです。ひとりで舞い上がっているのではないかという恐怖感もあったけど、直接会って、そう言ったら『私はじっくりつきあって好きになっていくタイプだと思っていた。でもあなたに会ってから、自分が自分でなくなっているような気がしてならない』と。同じ気持ちだったんです」

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