合格したのに通えない…私立中の不登校は“統計以上”に深刻 受験競争が残す3つの後遺症
エネルギー枯渇…燃え尽き症候群
最初の「燃え尽き症候群」とは、高いモチベーションで受験に取り組んできた子が、それが終わった途端にエネルギーがなくなり、やる気がなくなってしまうというものだ。
現在の中学受験ブームのただ中にいた子供たちは、早ければ小学1年生から、遅くとも小学4年生くらいから進学塾に通い、受験に向けた勉強をする。
コミック『教育虐待』で描いたように、塾ビジネスは、少子化の中で子供を長く塾通いをさせることによって収益を上げることが主流となっている。だが、それには頻繁に行われるテスト、学力別のクラス替え、合宿などによってモチベーションを維持させなければならない。
よほど勉強が得意で体力のある子なら別だが、そうでない子がそうしたことを3年も4年もつづけていれば、受験が終わった途端にエネルギーが枯渇するのは必然だ。
そのため、合格した学校(不合格の場合は公立校)に行っても、何を目標にがんばればいいのかわからなくなり、学業への意欲が消え失せ、学校へ行けなくなるということが起こるのである。
合格はゴールじゃなかった…新たな競争への絶望
2の「新たな競争への絶望」もよくあるケースだ。
学力レベルの高い学校には、トップ・オブ・トップの生徒たちが集まる。そして入学した瞬間に、今度は名門大学を目標に、彼らと競い合わなければならない。
逆に、第二志望、第三志望くらいの学校は、難関校に不合格、あるいは学力が届かずに、不本意に入学してきた子が多い。
保護者にしてみれば、「大学受験こそリベンジ!」と子供にさらなる勉強を強いるし、学校側も難関大への合格率を上げることが自校の評価を高めることと自覚しているので同じように勉強を強いる。そうなると、子供たちはこれまでの受験以上に激しい競争にさらされる。
先のフリースクールの代表は言う。
「中学受験をしている時、子供は親や塾の教師から『受験が終わったら、すべて終わって自由になるからがんばろうね』と言われています。しかし、受験はゴールじゃありません。実はそこからが、大学受験に向けた『はじまり』なんです。それは子供にとってものすごくつらいことで、中には『終わりのはじまり』になってしまうこともあるのです」
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