合格したのに通えない…私立中の不登校は“統計以上”に深刻 受験競争が残す3つの後遺症

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 毎年3月になると、受験の合否が出て、親も一安心するが、そこに思わぬ落とし穴がある。

 首都圏では「中学受験ブーム」が起き、地域によってはクラスの半数以上が受験をする。合格した子供は私立・国立中学などへ進学し、そうでない子は地元の公立中学へ進学するが、毎年4~5月以降に、そのうちの一定数が学校へ行けなくなり、中には心療内科にかかる子も出てくる。

 公立中学で不登校が急増しているのはよく知られているが、実は私立・国立中学も例外ではないのだ。

 原因の一つとされているのが、加熱する受験競争に長期間身を置いたことによる弊害だ。後に見るように、「燃え尽き症候群」と呼ばれる状況や、新たな競争にさらされることへの絶望感などがある。

 一部の人に、「受験の終わりは、〈終わり〉の始まり」と呼ばれる現象とは何か。

「コミックバンチKai」で連載中のコミック『教育虐待-子供を壊す「教育熱心」な親たち』(新潮社)では、たびたび受験競争にさらされてきた子供たちが心を病み、学校に行けなくなる姿を描き、大きな反響を呼んだ。

「中退なんて言語道断」の私立中

 現在、私立・国立中学における不登校の数は年々増加している。

 文部科学省の調査によれば、2024年度で私立・国立中学の全生徒に占める不登校の割合は3・1%だ。

 公立中学は7・1%なので、それと比べれば半数に過ぎないという見方もあるかもしれない。だが、それは軽率だ。ここには、直視しなければならないカラクリが潜んでいる。

 まず公立中学の場合は、小学校の時からすでに不登校だった子が、そのままエスカレーター式に公立中学に上ってくる。そこに中学から不登校になる子が加わるので、数字が高くなるのは当然だ。

 他方、私立・国立中学の子供たちの多くは、小学校時代は通学しており、中学入学後に不登校になっている。そう考えると、決して少なくない数字なのだ。

 また、公立中学でも同じだが、不登校の子供であっても、最近は学校が認めたフリースクールに通っていれば出席日数に加算されたり、病院で診断書をもらえば「病欠」として認められたりする傾向にある。

 統計の上では、公立中学は1クラスにつき不登校は2人くらいだが、実際はその倍くらいはいる。私立・国立中学でも同じで、統計の上では1クラス1人くらいだが、潜在的な数はその倍に上るといわれているのだ。

 都内の私立中学の教員は次のように話す。

「私立中学は、生徒の学費が収入源なので中退してもらうと困ります。1人に辞められただけで数百万円の損害が出ます。保護者の側も同じです。受験のための塾代に数百万円、入学金や授業料に数百万円かけているわけですから、中退なんて言語道断なんです。

 こうした学校側、保護者側の思いが一致して、近年はあの手、この手で生徒の中退を防ごうとします。ただ、生徒の方はつらいですよね。学校から離れて休みたいのに、それを許してもらえない。教員の側から見ていて、そのジレンマの中で生徒がどんどんつらい状況に陥っていくケースもたくさんあります」

 私は不登校がかならずしもいけないとは思わない。タイミング、相性など様々なものを踏まえた上で、自分に合った学びをすればいい。

 最近は世の中でも同じようにいわれてはいるものの、現実は異なる。特に受験して入った学校となると、先の教員が述べるように学校側、保護者側の「大人の事情」が絡み合って、子供を教育に縛りつけてしまうことが出てくるのだ。

 では、どうして私立・国立中学で不登校が増加しているのか。

 私立・国立中学の不登校の子供をたくさん受け入れてきたフリースクールの代表によれば、大きく三つの要因があるという。

(1)燃え尽き症候群

(2)新たな競争への絶望

(3)自尊感情とコミュニケーション能力の欠如

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