病院、焼肉店、集団居住地…旧統一教会に「解散命令」で全国に散らばる「関連施設」はどうなる? 近隣住民は「得体が知れず、怖かった」

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 3月4日、東京高裁は、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に解散を命じる決定を下した。教団は特別抗告をすると見られるが、この決定により、宗教法人格を失い、税制の優遇措置が受けることが出来なくなった。また、裁判所が選任した清算人によって1181億円と言われる財産が管理下に置かれ、献金被害者への賠償に充てられることになる。日本教会設立から67年、そして「宗教二世」の山上徹也被告による安倍元首相銃撃から4年。かつては桜田淳子ら芸能人が入信して広告塔となり、また、自民党、とりわけ旧清和会を中心に政界とも蜜月関係を築き、毀誉褒貶を呼んだ。その教団のあり方を巡る論争に、ひとつの区切りとなる司法判断が下ったことになる。

 もっとも、宗教法人としての活動は出来ないものの、今後も、教団は任意団体などの形で宗教活動を継続することが可能。また、全国に存在すると見られる、教団関連企業や店舗、医療機関などの「関連施設」ももちろん存続することが可能だ。それらは街に溶け込み、教団との接点が地域住民に知られていない例もある。こうした形で、今後も旧統一教会は、ひそかにその活動を続けていくと見られるのだ。

「週刊新潮」では、安倍元首相銃撃後の2022年8月、入手した警視庁公安部の機密資料から、これら関連施設の存在を掴み、その実態を知るべく、現地へ足を運び取材を試みている。極秘の「捜査ファイル」に記された旧統一教会の秘められた実態とは――。以下、同記事を再録し、解散後の教団の行方を占ってみよう。

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隠語は「C」

 再録の前に、この「捜査ファイル」がどのようなものか、説明しておく。ファイルを作成したのは、警視庁公安部公安総務課のカルト担当。そこには約2万6000人に及ぶ旧統一教会関係者の名前が並び、職歴や勤務先、教団内での地位などが細かく記載されている。

 公安当局は従来、旧統一教会は法治国家を脅かすカルト宗教であると見ており、教団やその信者を監視。合同結婚式の参加者、教団内や国際勝共連合の役職者、教団関連企業に勤めていた者など、膨大なリストを作成してきたのである。資料は「C」と名付けられ、その由来は「Church(教会)」、すなわち警察内での旧統一教会を示す隠語だという。

 そこには政治家の名も記されており、さらには、教団に関連すると見られる企業や店、医療機関、果ては信者の集団居住地までもがズラリ列記されている。それらは町に溶け込み、教団との接点が地域住民に知られていない例もある。4年前、「週刊新潮」は、その謎の実態に迫るべく、現地へ足を運んでいる。
(以下は、「週刊新潮」2022年8月11・18日号記事の再録です)

桜田淳子が入院

 そこは東京都心からさほど離れていない下町。鉄道駅から徒歩数分の、喧騒が支配する場所にその病院はある。上品なタイル貼り、地上5階建ての外観を見る限り、教団との関係を示すものは一切なく、絶え間なく老若男女が出入りする。

 古くから住む人によると、

「その昔、桜田淳子さんが合同結婚式の件でマスコミに騒がれた時、入院という名目でしばらくあそこに逃げ込んだんです。すると連日、マスコミが周囲を張り込むようになりましてね。すぐに“あの病院は統一教会がやっている”とささやかれるようになりました」

 でも、と続けて、

「それはもう30年ほども前のこと。今や患者さんの多くは統一教会との関係など知らずに利用していると思いますね」

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