「なるべくバカに来てほしい」闇バイトのリクルーターが語る“理想的な応募者”…「“ビッグになりたい”という夢を持っている若者」もターゲットに

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昭和の暴走族との違い

「要するにトクリュウというグループには、理解不能な金銭欲だけで結ばれた薄っぺらい人間関係しか存在しないのです。過去を美化するわけではありませんが、昭和の暴走族を例に挙げてみましょう。市井の人々にとっては迷惑この上ない存在だったのは間違いありません。とはいえ彼らは強固な上下関係を持ち、彼らなりの礼儀作法もあり、ある意味では体育会に似たところもある集団でした。組織への帰属意識も強く『友情』や『団結』という言葉が使われることも珍しくなかったのです。昭和の暴走族が持っていた濃密な人間関係と比較すると、トクリュウの特異性や現代社会の抱える問題点が浮かび上がってくるのではないでしょうか」(同・藤原氏)

 トクリュウを潰すのは、少なくとも理論的には決して難しいことではない。藤原氏は「闇バイトの応募者をゼロにすれば簡単です」と言う。

「そのために何ができるかと言えば、教育の充実です。私は小学生の段階から『闇バイトとトクリュウの危険性』、『闇バイトに応募しないための心構え』、『インターネットを安全に利用する方法』について授業を行う必要があると考えています。その際、重要なポイントは警察関係者が講師にならないことです。闇バイトに応募した実行犯は紛れもない“加害者”ですが、一方でトクリュウにカモにされた“被害者”という側面もあるからです」(同・藤原氏)

教育の必要性

 もちろん警察にも優秀な人々は多い。しかし逮捕権を行使する彼らは、どうしても“加害者”の側面に関心や知見が集中してしまう。

「闇バイトの応募者も“被害者”なのだという事実に豊富な知見を持ち、なおかつ医療的な側面からもアドバイスできる人が理想的でしょう。となると少年犯罪に詳しい心理カウンセラー、精神科医といった人々が候補に浮かびます。特に少年院における更生の実情を知っている人が理想的です。境界知能や発達障害の特性を持っている子どもたちにこそ聞いてほしい授業ですから、彼らでも理解できるよう配慮する必要もあると思います。トクリュウや闇バイトも実情に精通している専門家がリアルな授業を行うことで、闇バイトの応募者がゼロになるという未来予測は、決して夢物語ではないはずです」(同・藤原氏)

 第1回【「8+3=10」と答えた少年たちは「闇バイト」に応募した…いとも簡単に“個人情報”をトクリュウに送ってしまう“実行役”と「境界知能」「発達障害」の関係】では、民放キー局が少年院の実態をレポートしており、そこから浮かび上がる闇バイトの応募者と境界知能、発達障害の極めて密接な関係について詳細に報じている──。

デイリー新潮編集部

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