中学受験塾でも増える“外国人” 「日本なら中国の半分の勉強で一流大へ」 5~10年で生徒の半数に

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グローバル社会に向けて

 このような動向もあってか、日本人の間から外国人留学生に対する否定的な意見が出ることも増えてきた。SNSで話題になったのが、「日本が外国人留学生を不当に優遇している」といった批判だ。

 残念ながら、これは大きな間違いだ。

 大学院進学を支援する制度に中国人の受給者が多いのは確かだが、それは平等に学力等によって選抜された結果であり、国籍優遇ではない。

 つまり、日本人の間に大学志望者や高い学力を有する人が、彼らに比べて少ないだけだ。その現実を見ないで「ゼノフォビア(外国人嫌い)」に陥れば、日本人の逆恨みと言われても仕方がない。

 客観的に考えれば、進学塾にせよ、大学せよ、外国ルーツの子を受け入れるのは良いことだ。

 少子化の中では必然的な流れだし、子供たちが様々な文化に触れて成長できるきっかけにもなる。また、学校で彼らと共に切磋琢磨すれば学力や志を大きく向上できるうえに、日本社会に高度人材を迎え入れることにもなる。グローバル社会で多文化共生を実現するにはこうした姿勢は不可欠だ。

 むろん、トラブルがないわけではない。

 どういうことが起きているかは、コミック『教育虐待』を参考にしていただきたいが、重要なのは、海外で起きている教育虐待によって日本に教育移住する外国人が増えており、その事象を好機と捉えることができれば、子供にとっても、社会にとっても、飛躍のきっかけになる可能性を秘めているということだ。

 この事実を前向きに捉えて自分の人生の中でチャンスと考えるのか、それとも保身のために外国人批判をくり返すのか。

 今、受験界で起きている出来事は、二種類の人間を作り出しているのかもしれない。

石井光太(いしい こうた)
1977年、東京生まれ。2021年『こどもホスピスの奇跡』で新潮ドキュメント賞を受賞。主な著書に『遺体 震災、津波の果てに』『「鬼畜」の家 わが子を殺す親たち』『43回の殺意 川崎中1男子生徒殺害事件の深層』『ルポ 誰が国語力を殺すのか』『教育虐待 子供を壊す「教育熱心」な親たち』など。『ぼくたちはなぜ、学校へ行くのか。マララ・ユスフザイさんの国連演説から考える』など児童書も多い。『ルポ スマホ育児が子供を壊す』(新潮社)はロングセラーとなっている。

デイリー新潮編集部

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