ぺこぱ・松陰寺、ラサール石井への「真っ向反論」が称賛された理由 極論に流されない“冷静な議論”

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防衛政策をめぐる議論

 お笑いコンビ・ぺこぱの松陰寺太勇が、ABEMAの討論番組「ABEMA Prime」に出演し、参院議員でタレントのラサール石井との防衛政策をめぐる議論において、一歩も引かずに自分の意見を述べたことが話題を呼んでいる。【ラリー遠田/お笑い評論家】

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 ラサール石井は社民党副党首の立場から、自民党の安全保障政策に批判的な見解を示した。これに対して松陰寺は「社民党は今後良い未来が見えない」などと一貫して厳しい言葉を投げかけた。先輩芸人であるラサールに対して臆することなく、自分の意見を堂々と述べた。

 石井が「明日、高市さんが戦争しますって言ったら、行け行け、ってなるような気がする」とやや極端な主張をすると、すかさず松陰寺は「ならないですよ」「誰も望んでいないですよ、そんなこと」と真っ向から反論してみせた。冷静な態度で議論を進めていった松陰寺に対して、称賛の声が相次いでいる。

 近年のテレビやネット番組における政治的な議論は、対立構造そのものがコンテンツとして消費される傾向が強い。どちらが強い言葉を使ったか、どちらが勝ったか、といった表層的な部分が切り取られやすく、議論は感情のぶつかり合いになりやすい。「論破した」「論破された」といった評価ばかりが先行する「論破ブーム」の様相を呈している。

 しかし、今回の松陰寺の発言は、その流れとは異なっていた。彼は相手の主張を受け止めた上で、自分がどう考えているのかを落ち着いた態度で説明していた。相手を打ち負かそうとする気持ちが前に出過ぎることがなかった。

 ここで注目すべきは、松陰寺の政治的な主張の是非ではなく、彼の冷静な話しぶりと思考の整理能力である。議論の場では、相手の発言の中に含まれる感情的な要素やレトリックに引きずられ、本来のテーマから逸脱してしまうことが多い。特に政治の話題では、価値観の違いが前提にあるため、議論は容易に人格批判や印象論へと流れてしまう。

 しかし、松陰寺は相手の言葉の中から論点となる部分だけを取り出し、それに対して自分の見解を述べるという姿勢を崩さなかった。フェアな態度で話し合いをしているように見えた。

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