「高市さんは何もやっていないから支持率が高いだけ」 専門家が数々の問題発言を指摘 「円安でホクホク」「食料自給率100%を目指す」
「『ホクホク発言』で台無しに」
消費減税に伴う財源の問題でいえば、選挙期間中の先月31日、神奈川県川崎市で応援演説に立った高市氏の発言が物議を醸した。
政治部デスクによれば、
「現状の円安傾向について、高市さんは“輸出産業にとって大チャンス”“外為特会の運用、今ホクホク状態”などと発言した。これが市場から“日本の首相は円安を容認している”と受け取られ、今月に入って円相場は一時157円台まで下落。メガバンクのみずほ銀行が、チーフマーケット・エコノミスト名義で『高市演説を受けて~危うい現状認識~』と題した緊急レポートまで出して、海外メディアが高市首相の見識を問うなど波紋が国内外に広がりました」
高市氏は円安メリットを強調したわけではないと火消しに追われたが、市場では外為特会の運用益を“消費減税の財源に回すのでは”との疑念まで生じたという。
経済アナリストの門倉貴史氏によれば、
「一国のトップがうかつな発言をすれば、為替相場のみならず国益にまで影響を及ぼします。本来、外為特会は為替介入するためのドル資金であって、それを“埋蔵金”のように使ったら円安是正ができず大変なことになる。解散が決まった際、急激に円安が進み日米の財務当局でレートチェックを行って介入するか判断する姿勢を示したことで、一時的に152円台まで持ち直しました。それが『ホクホク発言』で台無しになってしまったのです」
高市政権の「責任ある積極財政」への懸念が、市場では払拭されていないのだ。
「高市さんは『17の戦略分野に投資する』と主張していますが、潜在的な成長率はすぐに上がりません。政府が投資しても、効果が出るまで結構な時間がかかってしまいます。それでは物価高対策になりませんし、しっかり財源を国内外に明示しないままでは、市場は財政悪化が進むのではと疑心暗鬼になる。財政が悪化する国の通貨は売られますから、そうなれば円安に加えて債券も安くなり金利の上昇、そして株価も下がるという悪循環が起きてしまいます」(同)
「食料自給率は、もう100%を目指す」
この選挙で、問題視された「高市発言」は他にもあった。選挙戦後半の今月4日、岡山県倉敷市で応援演説に立った高市氏は、
「南鳥島の深い深い海の底6000メートル、そこからレアアース泥の引き揚げにようやく成功しました」
「だから日本は、これから今の世代も次の世代もレアアースには困らない」
などと、声高に訴えた。ところが、政府関係者が言うには、
「政府主導の研究チームが乗り込んだ探査船は、海底から泥の採取はできましたが、レアアースが含まれているかの分析は早くても今月15日以降になります。しかも正式な報告書は、再来年3月までを目標に作成される予定。世界的にも海底の泥からの実用化は技術的に克服すべき課題が山積。日中関係の悪化でレアアースの禁輸措置が話題となったことを念頭に、高市さんは国民を安心させようと発言したのでしょうが、拙速だと言わざるを得ません」
さらに5日、京都府長岡京市で行われた応援演説で高市氏は、
「食料自給率は、もう100%を目指す。そして、どんどん海外に輸出をする」
とまで口にした。持論の「食料安全保障」を誇示する発言だったが、具体的な方策への言及はなかった。
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