「高市さんは逃げ道を作った」 消費減税を本気で実現するつもりはない? 専門家は「やる必要性は薄らいでいる」
高市さんは「逃げ道を作った可能性が」
与党である自民と日本維新の会が掲げた公約は「2年間の期間限定で、対象を食料品に限って0%にする」というものだった。他方、中道は公約で「恒久的に食料品0%」と主張しており、国民民主党は「実質賃金が持続的にプラスになるまで」という期限を定めて「消費税は一律5%」、参政党は「全廃」、チームみらいのみが「現状維持」など、各党で大きな差異があった。
再び鈴木氏に聞くと、
「与野党間で調整がつかなければ、高市さんは“国民会議がまとまらないから進まない”と言えば済むのです。自民党や財務省が検討して“やれません”となれば高市人気は下がってしまう。だから『国民会議』でやろうとしたけれど、野党が無理を言って意見が合わないなどと言い訳をすれば逃げられる。ズルズルと先延ばしすることも視野に入れて、逃げ道を作った可能性があります」
これまで自民党内では、減税に慎重な財政規律派で、長く財務相を務めた麻生太郎副総裁(85)の存在が重石となってきた経緯がある。
「消費税を下げたりしないで、しっかり財政再建をやるべきという財務省の考えに同意する議員は、いまだ党内に多い。消費税に触るべきではないと考える人たちが根強くいます」(同)
「郵政選挙の時と似ている」
今回の選挙で、報道各社が自民の公認候補に行ったアンケートを見ても、「消費税」について「現状維持」などと答えた中には、林芳正総務相(65)や赤澤亮正経済産業相(65)など、現職閣僚の名前が散見される。
岸田政権から石破政権まで自民党税務調査会でインナー(幹部)を務めていた森山裕・前幹事長(80)に聞くと、
「消費減税を検討するのであれば、代替財源が示されなければなりません。消費税は社会保障や地方交付税などの重要な財源になっていますから、その代替となる財源について議論を尽くさず、拙速に減税することには反対です。あくまで自民党の公約は“国民会議で財源やスケジュールなどについて検討を加速する”というものですから、私はそれでいいと思います」
かの小泉政権時代、自民党が圧勝した「郵政選挙」に似た雰囲気を感じるとして、森山氏はこう続ける。
「今回の選挙では、いろんな党が消費減税を訴えましたが、代替の財源をしっかり示さずいい加減なことばかり言っていた。郵政民営化の時もいいことばかりを言って、結果的に郵便局は大変なことになっていますからね。われわれのように郵政民営化に反対した人間からすると、あの時の選挙と似ているなと思いました。でも、高市さんは賢い人ですからね。財源については、国民会議に付すと仰っている。仮に2年間に限って食料品だけ減税したとしても、税率を元に戻すのは大変なこと。国民会議次第ですが、どんな知恵が出てくるのか……」
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