「“小田厚”は反則キップの“狩り場”として有名」…神奈川県警が2700件の「交通違反取り締まり不正」でドライバーたちの“恨み節”

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キップを切りたがる警官

《「交通キップ」本決り 違反処理をスピードアップ 一都九市で来年から》(朝日新聞:1962年8月21日)

 この時、対象地域に神奈川県は含まれていなかったが、ここから現在に至る“交通違反キップ”がスタートしたのだ。

 今回の神奈川県警の不正は、取り締まりを受けた人が県警に相談したことから発覚した。車間距離不保持でキップを切られたが、現場で指摘された車間距離は15メートルだったにもかかわらず、自宅に届いた書類には5メートルと記載されていたというのだ。内部調査を進めると、スピード違反をパトカーで追尾して取り締まる際、実際に追尾した距離が違反キップに記載された距離よりも短いなど次々と不適切な取り締まりが発覚した。

 さらに、違反者が反則金を支払わない場合、担当した警官は実況見分をして書類を作成する必要があるが、不正を行っていた第2交通機動隊の巡査部長は現場に行かないことが常態化していた。彼は「図面があるから証書は作れる」などと言っていたという。

“違反処理をスピードアップ”した結果、2年間で2700件ものでっちあげに繋がったわけだ。だから、違反キップは“警官のノルマ”とまで言われるのだ。前出の社会部記者は言う。

「実際のところ、国庫に振り込まれた反則金は、交通安全対策特別交付金として都道府県や市町村に交付されます。警官のボーナスになるなんてこともありませんから、ノルマというものはないはずです。ただ、小田厚に限らず『一時停止していなかった』と難癖をつけるようにキップを切る警官も少なくないので恨み節も出てくるのでしょう」

 小田厚に速度超過の車両が多いというのなら、覆面などではなく堂々とパトランプを点けたパトカーを走らせるだけで違反は減らせるはずだ。一方で、車どころか人っ子ひとりいない田舎の交差点に潜んで、一時停止違反を待ち伏せているパトカーだっている。警察庁は「違反者と向き合い『交通事故ゼロ』を目指す」などと宣言しているが、闇雲にキップを切りたがるから反発心も生まれ、ドライバーからは“ノルマ”などと言われるのだ。

「今回、第2交通機動隊で不正を繰り返していた巡査部長らは、虚偽有印公文書作成・同行使の容疑で横浜地検に書類送検されるそうです。神奈川県警は反則金の還付はもちろん、違反の取り消し、免許の区分が変更になってしまった人に対しては元に戻すことも行うそうです。非常に手間がかかるわけで、これをきっかけに取り締まり方も変わるといいのですが……」(社会部記者)

デイリー新潮編集部

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