「想像以上に難航」 風俗スカウトグループ「ナチュラル」のトップ逮捕でもトクリュウ組織を一網打尽にできない理由

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スカウト狩りで有名に

 ナチュラルの活動スタートは2009年、新宿歌舞伎町だった。その名を世の中に知らしめたのは2020年6月、歌舞伎町で発生した住吉会・幸平一家加藤連合会による襲撃事件だった。いわゆる「スカウト狩り」と呼ばれるもので、長年歌舞伎町を縄張りとしてきた日本で指折りの武闘派ヤクザを怒らせたとして界隈で話題となった。その後、両組織は手打ちし、ナチュラルは暴力団にみかじめ料を支払うことでスカウトバックを得る方針に舵を切り、組織を一気に拡大させて行った。

 ナチュラルをめぐっては、2025年11月に警視庁の暴力団対策課の元警部補がナチュラルのメンバーに捜査情報を漏洩した罪で逮捕・起訴された。捜査用のカメラの設置場所などをナチュラル側に伝えていたとされ、元警部補のスマホにもナチュラル独自開発のアプリが入っていた。ミイラ取りがミイラになってしまった格好だ。

起訴できるか微妙

 捜査を直接担当する警察官までナチュラル側に取り込まれており、その他にも取り込まれている警察官がいるとの情報もあり、捜査当局の幹部は小畑容疑者の逮捕に並々ならぬ意欲を見せていたという。ところが……。

 小畑容疑者の“現状”に話を戻そう。

「逮捕事案について起訴できるかと言うと現状では微妙なようです。現場のスカウトと暴力団員との間で金銭のやり取りはあったとされますが振り込みではなく証拠はない。まして、小畑容疑者がそのやり取りを指示した証拠もない。暴力団なら末端の組員の犯罪もトップや幹部の共謀共同正犯を問うことは可能ですが、トクリュウはその点、幹部の名や序列はハッキリせず、指揮命令系統が把握できておらず、なかなか難しい。今後は、職業安定法違反(有害業務の紹介)などで再逮捕を繰り返す中で突破口を見つける他ないですが、展望があるわけではありません。スカウトされた女性の証言があったとしても、公判を維持するのは難しいとの説もあります」(同)

刑事部長の焦り説

 捜査当局側に失策があったのだろうか。

 先日、警視庁副総監に異動するまで刑事部長を務め、今回の捜査の事実上の最高責任者だった親家和仁氏が在任中に小畑容疑者の身柄を抑えるべく、公開捜査を早くするよう指示したという。ただ、いざ逮捕すると送検を拒否するなど容疑者側は予想以上に頑なで、取り調べはまともにできていない。一部では、将来の警視総監ポストを盤石にしたいがためにトクリュウ摘発の手柄を焦ったとの説も出ているほどだ。そうした類の話は足の引っ張り合いの範疇だとしても、難しい局面であることは事実だろう。

 小畑容疑者側は、社員2000人規模の”会社”で末端社員の動きをトップが把握できているはずがないではないか、そもそも証拠が存在しないではないか、などといった主張を展開する可能性がある。

 これに対して警察側はナチュラルはスカウトをなりわいとし、末端がやっていることを具体的ではないにしてもトップが知らないはずがない、少なくとも黙認しているはずだと訴えるのだろう。

「捜査幹部はここ最近、小畑容疑者についての情報を記者らに出さなくなっています。間違いなく焦りの表れでしょう」(同)

デイリー新潮編集部

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