「想像以上に難航」 風俗スカウトグループ「ナチュラル」のトップ逮捕でもトクリュウ組織を一網打尽にできない理由

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徹底抗戦の構え

 女性を風俗関連の店に紹介するスカウト行為を認めてもらう見返りに暴力団幹部にみかじめ料を支払ったとして、国内最大級の風俗スカウトグループ「ナチュラル」トップの木山こと小畑寛昭容疑者(40)が東京都暴力団排除条例違反で逮捕されたのは1月26日。2000人規模に膨れ上がった匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ=匿流)の代表で、警察が血眼で追いかけた組織の首魁(しゅかい=トップ)の身柄を抑えたことで実態解明が大きく進むと見られたが、そう簡単には進まなさそうな事情が横たわっているようだ。

 小畑容疑者の逮捕容疑は他と共謀して2023年7月、東京・渋谷でスカウト行為を容認してもらう見返りに、6代目山口組系組幹部に60万円を渡したというものだ。所在不明の期間が長かったため1月21日から公開手配され、潜伏先の奄美大島で身柄を確保された。

「小畑容疑者は逮捕当初から何も話していないようです。刑事弁護に精通する弁護士に事件を受任してもらい、徹底抗戦の構えです」

 と、社会部デスク。

ナチュラルの闇に迫った初の著書

 ここで、ナチュラルの現役メンバーらに取材して初めてその核心に迫った『捕食 欲望をカネに変えるトクリュウ型犯罪集団「ナチュラル」の闇』(清水將裕、日本橋グループ著)の内容から、組織の実態をごく簡単に紹介しておこう。

・大規模な繁華街を縄張りとする暴力団との共存共栄をうたいながら巨額の資金獲得活動(スカウトバック)を行っている。暴力団側には多額の現金を支払うなどの便宜を供与。法人登記はされていないが、総務課、プロ課などの部署や細則やマニュアルが多数存在し、会社組織のような体裁を取っている。小畑容疑者は会長と呼ばれている。“社員”になったメンバーには早慶MARCH出身者もおり、月に300万円ほど稼ぐ者もいる。スカウトは2000人規模。

・徹底した警察対策を講じる秘密結社的側面を持ち、警察の取り締まりを回避すべく、数千万円かけて開発した秘匿性の高い闇アプリを用いてメンバーらは本名ではなく源氏名などでやり取りしている。

・スカウト側は、女性を風俗関連の店などに紹介するとスカウトバック(女性の稼ぎの約15%)を、女性の稼働が続く限りずっと受けられる。一説には、国内のその種の店の約20%がナチュラルと取引しているとされる。年間収益は少なくとも50億円。

・優秀なスカウトは月に数百万円単位の報酬が約束されるが、組織への裏切りや規約違反にはリンチなど厳しい罰則が科される。

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