90歳女性を惨殺した「ルフィ事件」と07年「闇サイト殺人」に通底する“鬼畜の共通点”…アウトロー専門家は「人間は集団になると、どんな残虐な行為でも可能になる」
「闇の職業安定所」
なぜ「闇バイト」による凶悪犯罪が横行しているのか取材を依頼すると、藤原氏は「2007年に名古屋市で発生した『闇サイト殺人事件』について、改めて検証する必要があると思います」と言う。
藤原氏の指摘を紹介する前に、闇サイト殺人事件とはどのような犯罪だったのか、振り返っておきたい。担当記者が言う。
「この事件で逮捕されたのは神田司・元死刑囚と、堀慶未・死刑囚、川岸健治・受刑者の合計3人でした。神田は2015年に死刑が執行されています。堀は『闇サイト殺人事件』では無期懲役でしたが、その後にパチンコ店の夫婦を殺害した強盗殺人事件と、69歳女性の首を絞めてケガを負わせた強盗殺人未遂事件の関与が発覚し、2019年に死刑が確定しました。川岸は2011年に無期懲役が確定しています」
3人はネット掲示板サイト「闇の職業安定所」で知り合い、詐欺や空き巣など何らかの犯罪行為で金銭を手に入れようと合意した。
「下見をしたりしましたがうまくいかず、3人は若い女性を拉致して金銭を奪うことを決めます。07年8月に名古屋市内の路上で帰宅途中だった31歳の女性会社員を拉致。手錠をかけて口を粘着テープで塞ぎ車の中に監禁しました。約6万2000円とキャッシュカードとハンドバッグを強奪し、カードの暗証番号を教えるよう女性に迫りました。しかし女性は拒否。そこで堀が包丁で脅します」(同・記者)
嘘だった暗証番号
だが女性は嘘の番号を教えた。神田と堀は暗証番号を手に入れたと判断し、殺害を決意する。女性に乱暴しようとした川岸を制止し、堀が金槌で女性を殴打したり、堀と神田がロープで首を締めたりして女性を殺害した。直接の死因は窒息死だった。
男たちは女性の遺体を山林に遺棄。その後、預金を引き出そうとした。ところが暗証番号が合致しない。女性が伝えた嘘の番号だけでなく、誕生日なども入力してみたが、結果は同じだった。
「3人は『再び女性を拉致し、暗証番号を聞き出した上で殺害する』ことを決め、解散します。しかし川岸は死刑になることを恐れて愛知県警に電話をかけ、『女性を拉致して金を奪い、遺体は遺棄した』と自首しました。愛知県警が川岸の身柄を確保して簡単な事情聴取を行い、遺棄現場に向かうと女性の遺体が発見されたのです」(同・記者)
その後、県警は川岸に堀へメールを送信させるなど捜査に協力させ、川岸、堀、神田の3人を強盗殺人と死体遺棄の容疑で逮捕した。
2022年から23年にかけて全国各地で発生した“ルフィ”広域強盗事件では、特に22年10月に狛江市で発生した強盗殺人事件が、そのあまりにも残虐な犯行で注目を集めた。
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