「反応がない」「ピクリとも動かない」報道は本当か? 「菅義偉」元首相の現在 後継の元秘書が当選“最終応援演説”の中身とは
衆院選は自民党が316議席を獲得する歴史的大勝利に終わった。おかげで海のものとも山のものともつかぬ自民党の新人議員が数多く生まれたわけだが、たとえ高市人気がなくとも当選確実と言われていたのが神奈川2区の新田章文氏(44)だ。神奈川2区は“令和おじさん”こと菅義偉元首相(77)が10期連続で当選してきた地盤であり、その後継に指名されたのが新田氏だった。
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【実際の写真】目はトローンとして… 体調が心配される「菅義偉」元首相“現在の姿”
菅氏が政界引退を正式に表明したのは今年1月17日だった。この15年ほどは政界の中心にいた大物議員、しかも首相経験者の引退だけに大きなニュースとして取り上げられたが、このとき話題となったのは菅氏の業績や後継者だけではなく、その体調だった。政治部記者は言う。
「安倍晋三首相の下“最強の官房長官”と言われ、その後、首相も務めた菅氏ですが、退任して1年を過ぎたあたりから健康を不安視する声が出るようになりました。表情に覇気がなく、目はトローンとしてボソボソと詰まりながら話すという感じで、脳梗塞ではないかという噂も出たほど。実際、引退会見でも病気が疑われるような様子でした」
菅氏の引退に当たって、一部の週刊誌が近況をレポートする記事を出している。その中には「反応がない」「ピクリと動かないことも」との描写もあった。果たして、それらの報道は本当だろうか――。
菅氏の引退発表から2日後の1月19日、高市早苗首相は27日公示、2月8日投票の日程で総選挙を行うと発表。自民党神奈川県連が2区の候補者として新田氏の擁立を決めたのもこの日だった。いかに慌ただしい選挙だったかがわかるが、それでも当選確実と言われたのは、新田氏が菅氏の秘書を20年にわたって務めた愛弟子だったからだ。
投票日の2日前となる6日に行われた総決起大会には菅氏も駆けつけた。選挙期間中、菅氏は3回、新田氏の応援に入っているが、その最後の回である。500席以上ある会場は、新田氏よりも上の世代の支援者で開演前にほぼ埋まった。いよいよ決起大会が始まるが、そこに菅氏の姿はなかった。
タスキの秘話
壇上には後援者たちが並び、新田候補の話より、いかに菅氏が偉大な政治家であったかが強調される。菅氏の秘書を12年務めたという横浜市議の渋谷健氏は、新田氏のタスキの裏に菅氏が使用していたタスキが縫い付けられているという秘話を披露。ステージ上の新田氏が、実際、タスキを裏返すと、“すが義秀”とプリントされたタスキが出てきて客席からは拍手喝采。お膳立てが整ったところで、菅氏がステージに現れた。客席からはこれまでにない大きな拍手が送られる。菅氏は手助けが必要なほどではないものの、かくしゃくと歩くといった様子ではない。司会が菅氏を紹介する。
司会:ではここで新田章文候補の応援に駆けつけていただきました元内閣総理大臣・菅義偉先生よりご挨拶と激励をいただきたいと思います。菅先生、よろしくお願いいたします。
菅氏:皆さんこんばんは! ご紹介にあずかりました菅でございます。今日こうして……新田候補の総決起大会……多くの皆さんにご出席いただき……盛大に開催できますことを……心よりお祝い申し上げる次第でございます。
――第一声は力強く、滑舌も悪くなかったが、徐々に言葉の間が長くなっていくのが気になる。表情も次第にぼんやりとしてきたように見受けられる。
菅氏:私自身……政治は……西・南・港南区の小選挙区での衆議院議員と……市会議員、西区で2期8年間やりました……そういう中で政治家としてやるべきは……結果を出すこと……もし出せなければ、出せない理由をしっかり説明して理解いただくこと……このことをできる人間が政治家であるべきだ、そう思っております。
――ここから愛弟子の激励に入るのかと思われたが、そうではなかった。
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